出羽神社:羽黒山の頂に鎮座する神秘の社

基本情報

出羽神社は、山形県鶴岡市羽黒町にある羽黒山山頂に鎮座する神社です。出羽三山神社の総称の一つであり、伊氐波神(いではのかみ)と稲倉魂命(うかのみたまのみこと)を祭神として祀っています。古くは式内社に列せられ、旧社格は国幣小社でした。標高414メートルの羽黒山山頂に位置し、東北仏教文化の中心地として栄えた歴史を持ち、数々の文化財が残されています。

羽黒山と出羽三山

出羽神社は、羽黒山、月山、湯殿山からなる出羽三山の一つ、羽黒山の山頂に位置します。出羽三山は、それぞれ現世、前世、来世を象徴するとされ、古くから「生まれ変わりの旅」として信仰を集めてきました。羽黒山は現世を表し、人々の生活や願いを叶える力があると信じられています。

伝説と神秘

出羽三山の開祖は、崇峻天皇の皇子である蜂子皇子と伝えられています。蜂子皇子は、蘇我馬子による父帝の暗殺を逃れるため、聖徳太子の助言に従い、三本足の霊烏に導かれるようにして出羽三山に辿り着いたとされています。この霊烏の黒い羽が羽黒山の名前の由来になったという伝説も残っています。また、蜂子皇子は容貌が醜かったと伝えられていますが、民の苦悩を聞き入れ、救済したことから「能除太子」と呼ばれたともいわれています。

羽黒山には、鏡池と呼ばれる池があり、「羽黒九頭龍伝説」が伝えられています。蒙古軍の襲来の際、鏡池から九頭龍王が現れ、日本海へ飛び立って蒙古軍を撃退したという、勇壮な伝説です。出羽神社の厳島神社には、九頭龍王の妃神である市杵島姫命が祀られており、社殿の向拝には、鏡池の水を飲む龍の彫刻が施されています。この龍の彫刻は、実際に動いていると目撃情報もあるなど、神秘的な話も残されています。

歴史と信仰

出羽三山は、古来より自然崇拝の山岳信仰と、仏教、道教、儒教などが習合した修験道の聖地として栄えてきました。鎌倉時代には「八宗兼学の山」と呼ばれ、全国から多くの修行僧が訪れました。明治の神仏分離令までは、神仏習合の形態をとっていましたが、現在では神社として信仰されています。

羽黒山の参道には、2,446段の石段が続き、その両側には国の特別天然記念物に指定されている杉並木が続きます。石段を登りきると、山頂には三神合祭殿があり、羽黒山、月山、湯殿山の三神が祀られています。この三神合祭殿は、国指定重要文化財にも指定されており、中世の面影を残す貴重な茅葺木造建築です。

アクセス

出羽神社へは、JR羽越本線鶴岡駅から庄内交通バスを利用するか、車でアクセスできます。山頂までは石段を登ることもできますが、有料道路を利用することも可能です。

まとめ

出羽神社は、歴史と神秘に満ちた、魅力的な神社です。羽黒山の自然と、数々の伝説、そして信仰の歴史に触れることで、忘れられない体験ができるでしょう。ぜひ、一度訪れてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 【山形県屈指の名スポット・羽黒山】出羽三山神社・五重塔や龍神伝説など神秘的な見どころ4選をご紹介! | TABIZINE~人生に旅心を~
[2] 出羽神社(出羽三山神社)(出羽国式内社・その4) – 神が宿るところ
[3] 出羽三山 | 山形県
[4] 御由緒|出羽三山神社 公式ホームページ
[5] <出羽神社(出羽三山神社)>山形県 – 庄内・酒田・鶴岡エリアの神社仏閣【旅色】
[6] https://www.lemon8-app.com/@top92549jb6/7445230955360895493?region=jp
[7] 修験の聖地出羽三山 古くより中枢を担う羽黒山はじまりの歴史に迫る – HISTRIP(ヒストリップ)|歴史旅専門サイト
[8] にっぽん歴史街道 出羽三山めぐり 六十里越街道〜山形から神秘の山々へ〜 BS-TBS

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