兵主大社は、滋賀県野洲市五条に鎮座する由緒ある神社です。正式名称は「兵主神社」ですが、「兵主大社」として広く知られています。延喜式神名帳に名神大社として記載され、古くから人々の信仰を集めてきた歴史を持ちます。主祭神は八千矛神(やちほこのかみ)で、大国主神(おおくにぬしのかみ)と同一視されることもあります。
歴史と伝承:琵琶湖を渡ってきた神々
兵主大社の歴史は古く、社伝によれば、景行天皇の時代に大和国穴師(現在の奈良県桜井市)に創建された穴師坐兵主神社が、近江国高穴穂宮への遷都に伴い、まず大津市穴太(あなふ)に移され、その後、欽明天皇の時代に播磨別(はりまわけ)らによって琵琶湖を渡り、現在の野洲市五条に遷座したと伝えられています。
白蛇の姿をした兵主神が大亀に乗り、鹿の群れに守られて琵琶湖を渡り、現在の地にたどり着いたという美しい伝説も残されています。この伝説は、毎年12月上旬に行われる「八ヶ崎神事」の起源とされています。この神事では、宮司が湖中に入り、御神体を清めるという、全国的にも珍しい神事が行われます。
武将たちの信仰と社宝
「兵主」を「つわものぬし」と読むことから、中世以降は武士の信仰を集め、源頼朝や足利尊氏をはじめとする多くの武将から厚い崇敬を受けました。源頼朝からの神宝の寄進や、足利尊氏による楼門の造営など、数々の武具や武器が社宝として現在も伝えられています。これらの貴重な遺品は、兵主大社がいかに武将たちに崇敬されたかを物語っています。江戸時代には徳川家からも厚い保護を受け、繁栄を続けました。
見どころ:平安時代の庭園と美しい社殿
兵主大社の境内には、平安時代後期に造られた池泉回遊式庭園があります。国の名勝に指定されており、特に紅葉の季節には多くの観光客が訪れます。朱塗りの楼門や本殿も美しく、歴史を感じさせる荘厳な雰囲気です。境内には、摂末社として相殿神社、若宮神社、手名椎神社、足名椎神社、手洗御前神社、両皇太神宮、水神社などがあり、それぞれに由緒があります。
その他イベント
- 5月5日:例祭「兵主祭り」が行われ、多くの神輿が参道を渡御する盛大な祭りです。
- 2月3日:節分祭では、豆占いを通して一年間の天候を占う神事が行われます。
- 10月下旬:鮒寿司祭も開催されます。
アクセス
JR野洲駅からバスで約15分、「兵主大社前」バス停下車、徒歩5分。
兵主大社は、歴史と伝説、そして自然が織りなす魅力あふれるパワースポットです。滋賀県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] YouTube
[2] 南北朝についての日記?:「兵主大社展-琵琶湖を渡って来た神さま-」開催中です
[3] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁
[4] 兵主大社 – Wikipedia
[5] 【勝負運アップ】多くの武将に愛されたパワースポット「兵主大社」 – YTOな”こころ”のブログ
[6] 出雲ツワモノ集合「兵主大社」延喜式&名神大社!あっ穴師坐兵主神社から【湖南シリーズ】【兵主21社シリーズ】【兵主22社シリーズ】|やんまあ
[7] 御由緒・歴史:兵主大社(滋賀県野洲駅) | ホトカミ – 神社お寺の投稿サイト
[8] 兵主大社 | 車椅子で行く神社仏閣・パワースポットの旅
[9] <兵主大社(兵主神社)>滋賀県 – 甲賀・湖南エリアの神社仏閣【旅色】