吉野神宮:後醍醐天皇と明治天皇の想いが交差する聖地

基本情報

  • 祭神: 後醍醐天皇
  • 創建: 明治22年(1889年)、明治天皇の御願により創建。
  • 所在地: 奈良県吉野郡吉野町吉野山3226
  • アクセス: 近鉄吉野神宮駅から徒歩約20分(約1km)
  • 拝観料: 無料
  • 拝観時間: 午前8時30分~午後5時
  • 駐車場: 無料(午前8時30分~午後5時)、普通車100台、大型バス11台(4月1日~4月下旬)

歴史と伝説

吉野神宮は、明治天皇の強い意志によって創建されました。明治天皇は、後醍醐天皇の建武中興(鎌倉幕府打倒と天皇親政の回復)を、明治維新の原動力の一つと捉え、その偉業を称えるため、新たに神社を建立することを願われたのです。

神宮の起源は、それ以前の吉水院で行われていた後醍醐天皇の祭祀に遡ります。後村上天皇(後醍醐天皇の子)が父の後醍醐天皇の尊像を刻み、吉水院に奉安したと伝えられています。この尊像は、現在も吉野神宮の本殿で大切に祀られています。 後村上天皇が彫られたと伝わる後醍醐天皇の御宸像は、吉水神社から移されたものです。

明治22年の創建後、現在の社殿は、吉野神宮と改称された大正時代以降に整備されました。総檜造りの社殿は、近代神社建築の代表作として高く評価されています。

境内には、建武中興の功臣7人を祀る摂社3社もあります。これらの摂社は、後醍醐天皇の理想を共に実現しようと尽力した人物たちの霊を祀り、建武中興の歴史を今に伝えています。

参拝者からは、「鳥居の前に立つと、本殿に引き寄せられるような気がする」という声も聞かれます。これは、後醍醐天皇の強い意志や霊験あらたかな御神徳を感じさせるエピソードと言えるでしょう。

明治天皇と後醍醐天皇:時代を超えた繋がり

明治天皇と後醍醐天皇、二人の天皇の想いが交差する吉野神宮。明治天皇は、後醍醐天皇の「世治まり 民安かれと 祈るこそ 我が身につきぬ 思ひなりけれ」という御製(ぎょせい)に共感し、その強い信念と不撓不屈の精神に感銘を受けたのではないでしょうか。後醍醐天皇の建武中興は、足利尊氏の裏切りにより頓挫しましたが、その理想は明治維新へと繋がったとされています。吉野神宮は、まさにこの歴史的な繋がりを象徴する場所と言えるでしょう。

静寂と自然に包まれた聖地

吉野神宮は、観光コースから少し離れた場所に位置し、春秋の観光シーズンでも比較的静かです。そのため、喧騒を離れて静かに参拝したい方にとって、最適な場所と言えるでしょう。特に春には、山上の混雑とは無縁に、山桜や枝垂桜を愛でることができます。秋の紅葉も美しく、四季折々の自然美を堪能できます。

謎と魅力

吉野神宮には、歴史の重みと、明治天皇と後醍醐天皇の強い意志が感じられる、独特の雰囲気があります。静寂に包まれた境内を散策し、歴史に思いを馳せることで、新たな発見や感動が生まれることでしょう。 後醍醐天皇の生涯や建武中興、そして明治維新という日本の歴史における転換期を深く理解することで、吉野神宮への理解はさらに深まるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 吉野神宮
[2] 明治天皇の御願により後醍醐天皇を祀る社|吉野神宮|宮司/東 輝明|特別講話25|祈りの回廊 2018年秋冬版|特別講話|祈りの回廊 [奈良県 秘宝・秘仏特別開帳]
[3] 403 Error – Forbidden
[4] YouTube
[5] 吉野神宮|奈良県観光[公式サイト] あをによし なら旅ネット|吉野町|吉野路エリア|神社・仏閣|神社・仏閣
[6] 吉野神宮 – 吉野山観光協会【公式サイト】
[7] 吉野神宮|奈良県観光[公式サイト] あをによし なら旅ネット|縁をむすぶ奈良|吉野町|吉野路エリア
[8] 吉野神宮 | 観光スポット | 吉野ビジターズビューロー

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