滋賀県長浜市余呉町中之郷に鎮座する鉛練比古神社(えなりひこじんじゃ)。古くからの歴史と、幾多の変遷を経てきた神秘的な雰囲気を湛えるこの神社は、訪れる者を静かに魅了します。
基本情報
- 所在地: 滋賀県長浜市余呉町中之郷108
- 主祭神: 大山咋神(おおやまくいのかみ)
- 配祀神: 天日槍命(あめのひぼこのみこと)
- 旧社格: 式内社、旧村社
- 例祭: 4月14日
創建と天日槍命の伝説
社伝によれば、創建は崇神天皇の時代まで遡ります。新羅(古代朝鮮の王朝)の王子、天日槍命とその一族が余呉の地を開拓し、祖神を祀ったのが始まりと伝えられています。天日槍命は、坂口の山を崩して余呉の平野を開拓したという伝説も残っており、周辺には「日槍塚」と呼ばれる古墳も存在します。 神社周辺の地名「日槍屋敷」も、この伝説の名残でしょう。天日槍命を祀る神社として創建された鉛練比古神社は、余呉における最も古い歴史と格式を持つ神社の一つと言えるでしょう。
延暦寺との関わりと幾多の変遷
後に延暦寺領となった鉛練比古神社は、延暦寺の鎮守である日吉山王権現(大山咋神)を勧請、合祀しました。 賤ヶ岳の戦いでは社殿が荒廃するなど、幾度となく困難を経験しながらも、幾度かの再建を経て現在に至っています。 昭和55年には北陸自動車道の建設に伴い、社殿などが新築されました。 この歴史の変遷は、神社の境内や社殿の造りに、静かに刻まれています。
式内社としての由緒と謎めいた社名
鉛練比古神社は、『延喜式神名帳』に記載されている式内社です。 「鈆練日古神社」として記されているこの神社の名称の由来は、諸説あります。 「鉛練」は製鉄に関連する言葉であるという説や、新羅の官職名に由来するという説など、様々な解釈が提示されています。 この謎めいた社名も、鉛練比古神社の魅力の一つと言えるでしょう。
境内の魅力と周辺の史跡
境内には、愛宕神社、北野社など複数の境内社が鎮座しています。 また、境外社として大水別神社(式内社論社)があり、雨乞いの聖地として知られる大水ヶ谷石窟が関連付けられています。 周辺には、鉛練古墳や日槍塚など、歴史を感じさせる史跡も多く点在しています。 これらの史跡を巡ることで、鉛練比古神社の歴史と文化をより深く理解することができるでしょう。
神秘的な雰囲気と静寂
鉛練比古神社は、余呉湖の美しい自然に囲まれた静かな場所に位置しています。 境内には、古木の巨木がそびえ立ち、静寂に包まれた空間は、訪れる者に安らぎを与えてくれます。 歴史の重みと自然の美しさ、そして謎めいた雰囲気は、多くの観光客を惹きつけています。 ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 鉛錬比古神社 | かむながらのみち ~天地悠久~
[2] 旅 1500 鉛練比古神社(えれひこじんじゃ): ハッシー27のブログ
[3] 鉛練比古神社 – Wikipedia
[4] 鉛練比古神社 | よご観光ガイド
[5] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁