備後一宮 吉備津神社:桃太郎伝説と歴史の謎に迫る

広島県福山市新市町宮内にある吉備津神社は、備後国一宮として古くから崇敬を集める神社です。地元では「一宮さん」の愛称で親しまれ、厄除開運、家内安全、交通安全のご利益があるとされています。本殿は国の重要文化財、境内全域は国の史跡に指定されており、その歴史的価値は非常に高いです。

創建と歴史:

大同元年(806年)、備中国吉備津神社から勧請されたと伝えられています。その後、幾度かの火災による焼失と再建を繰り返しており、現在の本殿は慶安元年(1648年)、初代福山藩主・水野勝成公によって造替されたものです。この本殿は、国指定重要文化財にも登録されています。鎌倉時代には焼失の記録も残っており、その後の再建過程にも歴史的なドラマが秘められていると考えられます。一遍上人が弘安10年(1287年)に参詣した記録も残っており、国宝「一遍上人絵伝」にもその様子が描かれているそうです。

桃太郎伝説との関わり:

吉備津神社は、桃太郎伝説の原型となったとされる吉備津彦命と温羅の伝説が深く関わっています。吉備津彦命が温羅を退治した際に、鬼の首を埋めたとされる場所や、矢を置いたとされる矢置岩などが境内には残されています。この伝説は、神社の神秘性を高め、多くの参拝客を惹きつけています。 また、吉凶を占う「鳴釜神事」は、この伝説にまつわる神事として有名です。釜の鳴り方によって吉凶を占うこの神事は、古くから多くの人々に親しまれてきました。

見どころ:

境内には、本殿の他に、渡殿、釣殿、祭文殿、軒廊、拝殿、神饌など、多くの歴史的建造物が残されています。これらの建造物は、岡山県の重要文化財に指定されており、その建築様式や歴史的背景から、多くの観光客が訪れています。特に、本殿と拝殿は全国で唯一の吉備津造り(比翼入母屋造り)という独特の建築様式を採用しており、その美しさは必見です。また、本殿から続く約360mの美しい廻廊も、歴史的建造物として高く評価されています。

その他:

吉備津神社には、多くの文化財や歴史的建造物があり、それら一つ一つに物語が隠されているように感じます。 境内には、大公孫樹(オオイチョウ)など、自然豊かな環境も魅力の一つです。 夏越の大祓祭や例大祭など、年間を通して様々な神事が行われており、地元の人々にとって重要な存在となっています。

アクセス:

JR新市駅から徒歩圏内に位置しており、アクセスも良好です。福山城や三原城などの観光地と合わせて訪れるのもおすすめです。

この吉備津神社は、歴史と伝説、そして自然が融合した、魅力あふれる場所です。ぜひ一度、訪れてその神秘的な雰囲気を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 桃太郎ゆかりの地【吉備津神社】不思議な占いと伝説のルーツを探る!|THE GATE|日本の旅行観光マガジン・観光旅行情報掲載
[2] 吉備津神社|観光スポット | 岡山観光WEB【公式】- 岡山県の観光・旅行情報ならココ!
[3] <吉備津神社>広島県 – 尾道・福山・三原エリアの神社仏閣【旅色】

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