三重県桑名市多度町に鎮座する多度大社は、式内社(名神大社)であり、かつては国幣大社、現在は神社本庁の別表神社に格付けされる由緒ある神社です。別名「北伊勢大神宮」と呼ばれ、伊勢神宮への参拝と合わせて訪れる人が多く、「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片参り」と謳われるほど、古くから信仰を集めてきました。
歴史と神々
多度大社は、古くから多度山を神体山として崇拝されていました。5世紀後半には雄略天皇の時代に社殿が建立されたと伝えられています。本宮には天津彦根命、別宮には天目一箇命が祀られており、これらの神々は伊勢神宮の天照大御神の御子神、孫神にあたります。この血縁関係が、多度大社と伊勢神宮の深い繋がりを示しています。
白馬伝説と神事
多度大社には、幸せを運ぶ白馬の伝説が残されています。この伝説は、人々の幸福を願う信仰と深く結びついており、多くの参拝者を引き寄せています。
神社では様々な神事が行われています。特に有名なのは5月4日・5日に行われる「上げ馬神事」です。少年騎手が人馬一体となって急坂を駆け上がる勇壮な神事は、三重県の無形民俗文化財にも指定されており、「天下の奇祭」として知られています。その他にも、8月のちょうちん祭、11月の流鏑馬祭など、一年を通して様々な祭事が行われ、地域の人々の生活に深く根付いています。
織田信長と本多忠勝
戦国時代には、長島一向一揆の戦火によって社殿が全焼するなど、激動の時代を経験しました。しかし、江戸時代には初代桑名藩主である本多忠勝の寄進によって復興を果たし、現在に至っています。
天目一箇命と鍛冶
別宮に祀られる天目一箇命は、製鉄・鍛冶の神としても信仰されており、「ふいご祭」という神事が行われています。この祭事では、鉄工関係者が参列し、作業安全や社運隆昌が祈願されます。「ふいご」とは、鉄を精製する際に空気を送り込んで燃焼を促す道具です。この祭事は、多度大社と鍛冶の深い関係性を示しています。
アクセスと情報
多度大社へのアクセスは、養老鉄道多度駅から徒歩約15分、または車で東名阪自動車道桑名東ICから約10分です。参拝は24時間可能ですが、ご祈祷の受付時間は9時~16時30分です。
多度大社は、歴史と神話の息づく聖地であり、多くの参拝者にとって特別な場所となっています。 神秘的な雰囲気と壮大な自然に囲まれた多度大社は、訪れる人々に深い感動と癒やしを与えてくれるでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 多度大社 – Wikipedia
[2] 多度大社(刀剣と甲冑)/ホームメイト
[3] 多度大社/伊勢国の玄関口 桑名市観光サイト