武蔵国二宮 金鑚神社:歴史と神秘に包まれた古社探訪

埼玉県児玉郡神川町に鎮座する金鑚神社(かなさなじんじゃ)。延喜式神名帳にも記載され、武蔵国五宮(一説には二宮)として古くから崇敬を集めてきた名神大社です。旧社格は官幣中社、現在は神社本庁の別表神社に列せられています。

基本情報

  • 所在地: 埼玉県児玉郡神川町字二ノ宮750
  • 主祭神: 天照大神、素戔嗚尊
  • 神体: 御室山(神体山)
  • 社格: 式内社(名神大社)、武蔵国五宮(一説に二宮)、旧官幣中社、別表神社
  • 創建: 伝・第12代景行天皇年間
  • 例祭: 4月15日
  • 主な神事: 懸税神事(11月23日)

歴史と伝説

社伝によれば、日本武尊が東征の帰途、伊勢神宮で伯母の倭姫命から賜った火打石を御霊代として、御室山に奉納し、天照大神と素戔嗚尊を祀ったのが始まりとされています。 鎌倉時代には武蔵七党の一つ、児玉党の尊信が厚く、近郷二十二カ村の総鎮守として崇められました。江戸時代には徳川幕府から御朱印30石を賜り、別当の一乗院とともに栄えました。

金鑚神社の社名「金鑚(かなさな)」は、砂鉄を意味する「金砂(かなすな)」が語源と考えられています。神流川周辺では良質な砂鉄が産出し、刀などの原料として利用されたと伝えられています。御嶽山からも鉄が産出したという伝承もあり、金属産業との深い関わりが伺えます。

境内には、国の重要文化財に指定されている室町時代後期の多宝塔があります。また、源義家が奥州征伐の際に戦勝祈願をしたとされる「駒つなぎ石」「旗掛杉」「義家橋」などの伝説の遺跡も残されています。

本殿のない神社

金鑚神社の大きな特徴として、本殿がないことが挙げられます。山全体を御神体とする古代祭祀の面影を残しており、本殿を持たない神社としては、奈良県の大神神社、長野県の諏訪大社と並び称されます。拝殿の奥に広がる御室山(御嶽山)が神聖な場所として崇められているのです。

鏡岩と九郷用水

御嶽山の中腹には、「鏡岩」と呼ばれる国の特別天然記念物に指定された巨岩があります。岩肌が鏡のように平らで、高崎城の落城時の炎を映したという伝説も残されています。

また、金鑚神社と深く関わるとされるのが九郷用水です。古くは、神社境内のキンメイ池から金色の龍が飛び立ち、児玉郡内を巡り、東福寺から天に昇天したという伝説があり、その龍が巡った跡が九郷用水になったと伝えられています。秋には、九郷用水域の耕地から稲一束が懸税として金鑚神社に奉納される「懸税神事」が行われています。

神秘的な雰囲気とパワースポット

金鑚神社は、歴史と神秘的な雰囲気に包まれた、まさにパワースポットと言える場所です。本殿のない独特の造り、数々の伝説、そして自然豊かな境内は、訪れる人の心を深く癒してくれるでしょう。 周辺には、多宝塔や鏡岩などの見どころも多く、歴史と自然を満喫できる一日旅行に最適です。 ぜひ、一度足を運んで、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 【武蔵国二宮 金鑚神社】金鑚神社の秘境へ:古代から続く歴史と神秘に包まれた神社を訪ねて | 愉しむコト 趣味の空間 whatever life
[2] 金鑚神社 – Wikipedia
[3] 金鑚神社 – 神川町観光協会|花と自然と歴史の町へようこそ
[4] 金鑚神社|古社への誘い 神社散策記
[5] 金鑽神社 : 歴史と素適なおつきあい
[6] 金鑚神社 (神川町)
[7] 金鑚神社。児玉郡神川町二ノ宮の神社、名神大社、児玉郷総鎮守
[8] 本殿のない金鑚神社 【埼玉県児玉郡神川町】 | フォトさいたま
[9] 金鑚神社/埼玉県神川町ホームページ
[10] 7/4(日)【神社行ってきました】#金鑚神社(かなさなじんじゃ)埼玉県 – 埼玉県富士見市ふじみ野市三芳町のコミュニティラジオ『発するFM』84.0MHz
[11] 金鑚神社(かなさなじんじゃ) – 埼玉県

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