長等神社:1300年の歴史を刻む大津の鎮守

滋賀県大津市三井寺町に鎮座する長等神社は、1300年以上の歴史を誇る由緒ある神社です。古くは新日吉社や新宮社とも呼ばれ、園城寺(三井寺)の鎮守社として、地域の人々の信仰を集めてきました。

天智天皇と創建の伝説

長等神社の起源は、天智天皇6年(667年)に遡ります。天智天皇が近江大津宮に遷都した際、都の鎮護のために長等山岩座谷に建速須佐之男大神を祀ったのが始まりと伝えられています。この創建物語は、神社の長い歴史と、都の繁栄を祈願する人々の強い信仰心を物語っています。

円珍と山王権現の合祀

貞観2年(860年)、園城寺の初代長吏・円珍が、神社に山王権現を合祀しました。これにより、長等神社は園城寺の守護神として、より重要な役割を担うことになります。延暦寺の鎮守社である日吉大社に対抗して「新日吉社」や「新宮社」と呼ばれるようになったというエピソードも、神社の歴史における興味深い一幕です。

戦乱と再建、そして現代へ

南北朝時代の戦乱で社殿が焼失するなど、幾多の困難を経験しながらも、室町幕府初代将軍・足利尊氏によって再建されるなど、幾度となく復興を遂げてきました。明治時代には神仏分離令により園城寺から独立し、現在の「長等神社」と改称されました。

見どころ満載の境内

長等神社の境内には、見どころが満載です。大津市指定文化財である朱塗りの楼門は、明治38年(1905年)に建立されましたが、中世の古い様式を巧みに取り入れた見事な建築です。楼門をくぐると、厳かな雰囲気に包まれた本殿が現れます。全国的にも珍しい五間社流造の本殿と、それを囲む回廊は、訪れる人の心を静かに満たしてくれるでしょう。

また、境内には樹齢300年を超えるという巨大なカツラの御神木があり、大津市の保護樹木にも指定されています。その圧倒的な存在感は、神社の歴史の重みを感じさせてくれます。境内社である馬神神社は、かつては馬の健康を守護する神として信仰を集め、近年では競馬の神様として、馬主や競馬ファンからも参拝者が訪れています。

桜と紅葉の名所

長等神社は、自然豊かな環境にも恵まれています。春には境内や周辺の長等公園、疏水、園城寺などに多くの桜が咲き誇り、美しい景色を楽しむことができます。特に、神社のしだれ桜は見事です。秋には、鮮やかな紅葉が神社の楼門や本殿を彩り、訪れる人々を魅了します。春と秋の美しい景色は、神社の歴史と自然の調和を感じさせてくれるでしょう。

アクセス

JR琵琶湖線大津駅から徒歩20分、京阪電鉄石山坂本線三井寺駅から徒歩11分と、アクセスも良好です。大津を訪れた際は、ぜひ長等神社に足を運んで、1300年以上の歴史と自然の息吹を感じてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 長等神社
[2] 長等神社(京都近郊観光大津市)
[3] 譌ァ邵」遉セ 髟キ遲臥・樒、セ縲�蜈ャ蠑上�帙�シ繝�繝壹�シ繧ク縲�螟ァ豢・蟶�
[4] 長等神社 – Wikipedia

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