三重県津市香良洲町に鎮座する香良洲神社。その名は、町名の由来にもなった由緒ある神社です。旧社格は県社で、稚日女命(わかひるめのみこと)を主祭神として祀っています。
歴史と伝説:神火と青木氏の伝承
香良洲神社の創建は、欽明天皇の御代(飛鳥時代)にまで遡ります。神戸市の生田神社から勧請されたと伝えられていますが、その背景には興味深い伝説があります。伊勢の海の浜洲で毎晩のように神火が見えたことから、人々は畏怖の念を抱き、騒然となりました。この異変を知った青木という人物が神意を伺うと、「吾は生田の稚日女命である。姉神の鎮まる神風伊勢の地で、この地に鎮まりたい」との神託を受けたと言われています。この神託を受け、青木氏は生田神社から稚日女命を勧請し、社を造営して祀ったのが香良洲神社の始まりです。神火の神秘と、青木氏による神託の伝承は、神社の歴史に深みを与えています。
式年遷座:20年に一度の遷宮
香良洲神社は、伊勢神宮と同様に、20年に一度、式年遷座という遷宮を行っています。これは、神様を新しい社殿に移す大規模な祭事で、地域住民にとって重要な行事となっています。遷座の際には「お木曳き」と呼ばれる神事があり、氏子たちが新しい社殿の材木を曳き、神輿を担いで練り歩く壮観な光景が見られます。この式年遷座は、神社の信仰の深さと、地域社会との強い結びつきを示す象徴的な出来事です。
夜がらす祭とカラスの扇:独特の祭りと社宝
香良洲神社には、「夜がらす祭」という独特の祭事があります。その詳細については、残念ながら現時点では情報が不足しています。しかし、神社名にも含まれる「カラス」という要素が、この祭事や神社の伝承に深く関わっていることは想像に難くありません。また、社宝として「伯爵東郷平八郎元帥自筆の額」と「徳富蘇峰自筆の額」を所蔵しており、歴史的にも貴重な品々です。これらの品々も、神社の歴史や信仰を紐解く上で重要な手がかりとなるでしょう。
アクセスと周辺情報
香良洲神社へのアクセスは、近鉄名古屋線「津駅」からバスで約35分、「香良洲神社前」バス停すぐです。周辺には香良洲公園などがあり、自然豊かな環境に恵まれた場所にあります。
今後の調査事項
- 夜がらす祭の詳細な内容
- カラスにまつわる伝承や言い伝え
- 式年遷座の具体的な手順や様子
- その他、神社にまつわる興味深いエピソードや逸話
香良洲神社は、歴史と伝説、そして独特の祭事を秘めた魅力的な神社です。このブログ記事が、皆様の香良洲神社への理解を深める一助となれば幸いです。
関連リンク・参考文献
[1] 香良洲神社 – Wikipedia
[2] 香良洲神社