京都市上京区、烏丸通沿いに鎮座する護王神社は、平安京の造営に貢献した和気清麻呂公とその姉、和気広虫姫を祀る神社です。別格官幣社として崇敬を集め、現在は神社本庁の別表神社に列せられています。
基本情報
- 正式名称: 護王神社(ごおうじんじゃ)
- 主祭神: 和気清麻呂公、和気広虫姫
- 配祀神: 藤原百川、路豊永
- 創建: 不詳(高雄山神護寺境内に創建されたとされる)
- 現在地への遷座: 明治19年(1886年)
- アクセス: 京都市営地下鉄烏丸線丸太町駅より徒歩約7分、または京都市営バス烏丸下長者町下車すぐ
狛猪と清麻呂公の伝説
護王神社の最大の特徴は、境内にある狛犬ではなく、狛猪(こまいぬ)が鎮座していることです。これは、和気清麻呂公にまつわる伝説に由来します。
奈良時代末期、権力者・弓削道鏡が偽の御神託を用いて天皇の座を奪おうと企てました。清麻呂公は真の御神託を奉じてこれを阻止しますが、道鏡の怒りを買い、足の筋を切られて九州へ流刑に処せられます。
流刑の途上、刺客に襲われ絶体絶命の危機に陥った清麻呂公を、三百頭もの猪が襲撃から守り、道案内をしたと伝えられています。この時、清麻呂公の足萎え(あしなえ)も不思議と治癒したと言われています。この奇跡的な出来事が、護王神社が足腰の守護神として信仰されるようになった起源です。
境内には、この伝説にちなんだ数多くの猪の像や、猪にまつわる奉納品が多数あり、「いのしし神社」として親しまれています。 霊猪の手水舎の猪の鼻を撫でると幸せが訪れるという言い伝えもあります。また、願掛け猪の石像に願い事を書いた紙札を挟んで祈願する風習もあります。
その他の見どころ
- 足萎難儀回復の碑: 足腰の病や怪我の回復を祈願する場所として多くの参拝者が訪れます。足形の石の上に乗ったり、碑を撫でたりして祈願します。
- かりん: 境内にある樹齢を重ねたカリンの木は、「ぜんそく封じの御神木」として信仰されています。
- 護王大祭(4月4日)と亥子祭(11月1日): それぞれ清麻呂公の命日と宮中儀式に因んだ祭りで、盛大に行われます。
護王神社の御利益
護王神社は、足腰の健康や病気・怪我の回復のご利益があるとされていますが、家内安全、商売繁盛、交通安全など、様々な願いにもご利益があるとされています。特に、足腰の健康に悩む方やスポーツ選手などから厚い信仰を集めています。毎月21日には足腰祭が行われ、参列者は本殿での祈願祭の後、表門前の御千度車を回し、足腰の大御守の下をくぐって足腰の健康安全を祈願します。
まとめ
護王神社は、歴史と伝説に彩られた、魅力あふれる神社です。狛猪のユニークな姿や、清麻呂公の波乱に満ちた生涯、そして足腰の守護神としての信仰など、見どころ満載です。京都を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 403 Forbidden
[2] 【京都時間.jp】第23回 京都の守護神:護王神社の伝説と歴史|モリモリ先生 新日本地図輿地全図 New Comprehensive Atlas of Japan
[3] 護王神社|そうだ 京都、行こう。
[4] 護王神社 | 京都観光コンシェルジュ
[5] 護王神社|【京都市公式】京都観光Navi
[6] 護王神社 – Wikipedia
[7] 御所西 護王神社 | 京都 デジタル茶の湯マップ
[8] 403 Forbidden
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