By ando 大阪府池田市室町に鎮座する呉服神社。その歴史は古く、応神天皇の時代まで遡ります。 日本書紀にも記される「呉服・穴織伝承」を受け継ぐこの神社は、機織・縫製の技術を日本にもたらした呉服媛（くれはとりのひめ）と、仁徳天皇を祀る由緒ある場所です。
呉服媛と仁徳天皇：歴史と伝説
呉の国から渡来した呉服媛は、優れた機織りの技術を持っていました。 猪名川沿いの唐船が淵に建てられた機殿で、その技を活かし、人々を魅了したと伝えられています。 仁徳天皇76年に亡くなった呉服媛は、翌77年、仁徳天皇によって神として祀られ、呉服神社が創建されました。 この出来事が、日本の「呉服」という言葉の由来になったとされています。 神社の創建から現在まで、幾度かの火災や再建を経験しながらも、人々の信仰を集め続けてきました。特に、天正7年（1579年）の有岡城の戦いでは社殿が焼失するなど、激動の時代を生き抜いてきた歴史も興味深い点です。慶長9年（1604年）には豊臣秀頼によって本殿が再建され、現在の姿へと繋がっています。1969年には拝殿が再建され、美しいステンドグラスが飾られています。このステンドグラスは、神社建築としては珍しい西洋風の装飾で、参拝者から人気を集めています。
境内と見どころ：神々しい空間と意外な発見
境内には、本殿、拝殿の他に、恵比寿神社、稲荷社、天満宮など、複数の社が祀られています。 特に拝殿のステンドグラスは、神社の雰囲気と調和した独特の美しさで、写真撮影スポットとしても人気です。 また、室町という地名も、京都の室町通りの呉服問屋街を彷彿とさせ、古くからの着物業界との繋がりを感じさせます。 境内は静かで落ち着いた雰囲気で、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間です。
現代への繋がり：信仰と観光
現在も、着物関係者を中心に多くの参拝者が訪れ、家業繁栄や手芸上達のご利益を求めています。 毎年1月9日から11日に行われる例祭は、多くの参拝者で賑わいを見せます。 また、池田市は阪急電鉄の創始者・小林一三の出身地であり、呉服神社は阪急沿線西国七福神にも含まれています。 そのため、西国七福神巡りの観光客も訪れる、信仰と観光が融合した場所となっています。 呉服神社の「くれは」のお守りも人気で、災難除けとして多くの人に愛されています。
アクセスと情報
阪急宝塚線池田駅から徒歩3分とアクセスも良好です。 静寂に包まれた境内と、歴史を感じさせる建造物、そして意外なステンドグラスの美しさ。 呉服神社は、池田の街の歴史と文化を肌で感じられる、魅力的な場所です。 ぜひ、足を運んで、その魅力を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 呉服神社 – Wikipedia
[2] 501 Not Implemented
[3] 呉服神社（くれはじんじゃ） | 池田市観光情報｜池田市観光協会 公式サイト
[4] 【呉服神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet