大阪府和泉市府中町に鎮座する泉井上神社。JR阪和線和泉府中駅から徒歩5分ほどの場所にある、歴史深い神社です。式内社であり、旧社格は府社。境内には、和泉国総社である和泉五社総社も鎮座しており、その歴史的価値は計り知れません。
神々との深い繋がり
主祭神は和泉大明神(独化天神)ですが、神功皇后、仲哀天皇、応神天皇をはじめ、神功皇后に従って朝鮮半島に渡った神々45柱も祀られています。境内には、神功皇后が三韓征伐の際に湧出したと伝わる霊泉「和泉清水」があり、この霊泉が和泉国名の由来ともされています。この霊泉は、神社の歴史と深く結びつき、神聖な場所として大切に守られてきました。
歴史の重みと神秘
創建年代は不明ですが、社伝によれば、神功皇后が当地を訪れた際に霊泉が湧き出たことにより、神社が創建されたと伝えられています。霊亀2年(716年)には、和泉監が成立し、後にこの地に和泉国の国府が置かれました。その際、和泉国一宮から五宮までの五社の祭神を勧請して、和泉五社総社が建立されたのです。
延長5年(927年)成立の『延喜式神名帳』には、「和泉郡 泉井上神社」と記載されており、古くから朝廷からも崇敬されていたことがわかります。中世以降は、泉井上神社と和泉五社総社は同一視されるようになり、一体となって人々の信仰を集めてきました。
境内には、慶長10年(1605年)に豊臣秀頼が建立したとされる和泉五社総社本殿があり、重要文化財に指定されています。この本殿は、豊臣秀頼の信仰の深さと、神社の重要性を物語る貴重な建造物です。その他にも、大阪府指定有形文化財である石造板状塔婆など、多くの文化財が境内には残されています。
現代に残る神秘と静寂
現在、神社は住宅街の中に位置しており、かつての広大な境内は、周囲の建物に囲まれています。しかし、境内に入ると、静寂な空気が流れ、古の霊気が感じられます。愛嬌のある狛犬や、歴史を感じさせる拝殿など、見どころも満載です。
御朱印もいただけますので、参拝の際にはぜひお願いしてみましょう。和泉の歴史と神々の息吹を感じることができる、そんな特別な場所が、泉井上神社です。
アクセス情報
- 住所:〒594-0071 大阪府和泉市府中町6-2-38
- 交通手段:JR阪和線和泉府中駅より徒歩約5分
関連リンク・参考文献
[1] 泉井上神社 – Wikipedia
[2] 【泉井上神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[3] 大阪府神社庁のホームページ
