宮城県岩沼市稲荷町に鎮座する竹駒神社は、古来より「日本三稲荷」の一つとして数えられる、霊験あらたかな神社です。その歴史は平安時代初期の承和9年(842年)にまで遡り、小倉百人一首にも名を連ねる小野篁が陸奥守として赴任した際に創建されたと伝えられています。
歴史と伝説:
小野篁による創建という伝承は、神社の由緒に記されていますが、歴史的資料からは裏付けが取れません。小野篁が承和9年には既に京都にいた可能性が高いため、創建者は別人だった可能性や、時代が下るにつれて小野篁という著名な人物に結びつけられた可能性も考えられます。しかし、小野一族が陸奥守に赴任した例は多く、伝承が完全に虚偽とは言い切れません。
創建後、竹駒神社は伊達家の篤い崇敬を受け、発展を遂げました。伊達稙宗による社地寄進、伊達忠宗・伊達吉村・伊達宗村・伊達重村による寺領や社領の寄進、社殿造営、和歌や神号額の奉納など、数々の記録が残されています。これらの寄進や奉納は、神社が伊達家にとって重要な存在であったことを示しています。
1990年には過激派による放火事件で社殿が焼失するという悲しい出来事がありましたが、その後再建され、現在も多くの参拝者を迎えています。
見どころと特徴:
- 随神門(楼門): 文化9年(1812年)建立の楼門は、岩沼市と宮城県の有形文化財に指定されており、精緻な彫刻が施された見事な建築物です。
- 向唐門: こちらも貴重な文化財として指定されています。
- 飛躍の霊狐像: 日本彫刻界の巨匠・小倉右一郎による、躍動感あふれる霊狐像は、神社の創建縁起に由来するものです。
- 御神田: 境内南側には御神田があり、宇賀神社(祭神:宇迦之御魂神)が祀られています。
- 拝殿地下通路: 拝殿の地下には通路があり、放火事件消失前の竹駒神社元宮跡地が残されています。
- 竹駒の杜 CAFÉ 一粒万倍: 境内にあるカフェでは、神社の美しい自然を眺めながら、オリジナルドリンクやスイーツを楽しむことができます。
御祭神とご利益:
竹駒神社では、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、保食神(うけもちのかみ)、稚産霊神(わくむすびのかみ)の三柱の神々が祀られています。これらの神々は、衣食住や生成発展を司る神々として、古くから産業開発、五穀豊穣、商売繁盛、海上安全、交通安全、厄除開運、安産守護、縁結びなど、幅広いご利益があるとされています。
神隠し伝説:
竹駒神社には、神隠しに関する噂も存在します。命婦社へ向かう参道で、周囲の音や時間が歪むような感覚を体験したり、人影を見かけるといった話が伝えられています。これらの話は、神社の神秘的な雰囲気と相まって、より一層の興味を引きつけます。
まとめ:
歴史、伝説、そして神秘的な雰囲気を併せ持つ竹駒神社は、単なる神社という枠を超えた、魅力あふれるパワースポットです。宮城県を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その霊験あらたかな空気を体感してみてください。年間約150万人もの参拝者が訪れるその理由を、きっと理解できるはずです。
関連リンク・参考文献
[1] 竹駒神社|日本三稲荷の霊験あらたかな古社の歴史と見どころ、参拝案内を完全ガイド – わのっとメディア
[2] 竹駒神社について | 日本三稲荷 竹駒神社
[3] 竹駒のおキツネさん | 日本三稲荷 竹駒神社
[4] 日本三稲荷 竹駒神社
[5] <竹駒神社>“日本三稲荷”として宮城県岩沼市に鎮座|蔵王・白石のおすすめ観光・レジャースポットなら旅色
[6] 竹駒神社(岩沼市)
[7] 宮城県神社庁
[8] 竹駒神社 | moreTOHOKU
[9] 竹駒神社 – Wikipedia
[10] 宮城県【竹駒神社】怖いうわさと真実を探る!神隠しの噂も!|希望の光 – がん封じの知恵
