近江八幡のシンボル、日牟禮八幡宮:歴史、伝説、そして近江商人の信仰

滋賀県近江八幡市宮内町に鎮座する日牟禮八幡宮は、近江八幡市の名前の由来にもなった由緒ある神社です。古くから近江商人の信仰を集め、現在も多くの参拝客が訪れる、この地のシンボルと言える存在です。

基本情報

  • 所在地: 滋賀県近江八幡市宮内町257
  • 主祭神: 誉田別尊、息長足姫尊、比賣神
  • 社格: 旧県社、別表神社
  • 創建: 伝・成務天皇元年(131年)
  • 例祭: 4月15日
  • アクセス: JR近江八幡駅からバスで約7分、「八幡堀」下車徒歩5分。または名神竜王ICから車で約30分。

歴史と伝説:時の流れに彩られた信仰の軌跡

日牟禮八幡宮の歴史は古く、伝承によれば成務天皇元年(131年)に創建されたとされています。武内宿禰が地主神である大嶋大神を祀ったのが始まりとされ、その後、応神天皇の行幸や藤原不比等の参拝など、数々の歴史的出来事が神社の歴史に刻まれています。

特に興味深いのは、応神天皇還幸の際に、社の近辺で日輪の形を2つ見たという不思議な現象です。このことから「日群之社八幡宮」と名付けられ、後に藤原不比等の歌にちなみ「比牟禮社」と改称されたと言われています。 また、社名の由来には、和珥氏・日觸使主の「日觸」が転じたという説もあり、歴史の奥深さを感じさせます。

正暦2年(991年)には一条天皇の勅願により宇佐八幡宮を勧請し、さらに寛弘2年(1005年)には山麓に遥拝所が建てられました。現在の社殿は、この山麓の遥拝所を起源としています。豊臣秀次が八幡山城を築城した際、上の社が下の社に合祀されたという歴史も持ちます。

関ヶ原の戦い後には、徳川家康が武運長久を祈願したという記録も残っており、皇室や将軍家からの崇敬も厚かったことが伺えます。1966年(昭和41年)に現在の「日牟禮八幡宮」に改称されました。

近江商人とのかかわり:商売繁盛の守護神

日牟禮八幡宮は、近江商人の信仰を集めた神社としても知られています。商売繁盛や厄除けのご利益があるとされ、多くの近江商人が参拝し、その繁栄を祈願しました。境内には、江戸時代に安南貿易で活躍した近江商人、西村太郎右衛門が奉納した「安南渡海船額」など、貴重な文化財も数多く残されています。この絵馬は、鎖国時代の困難な帰国を象徴するもので、近江商人のたくましさを感じさせる逸品です。

見どころ:荘厳な社殿と美しい境内

日牟禮八幡宮の境内は、約4万4000平方メートルと広大で、エノキやムクノキなどの大木が生い茂る緑豊かな空間です。楼門、拝殿、本殿といった歴史的な建造物は、その美しい佇まいと荘厳な雰囲気で訪れる人を魅了します。また、境内には能舞台もあり、伝統芸能の公演も行われています。

祭事:迫力満点の火祭り

日牟禮八幡宮では、毎年3月には「左義長まつり」、4月には「八幡まつり」といった、滋賀県を代表する火祭り神事が行われます。これらの祭りは、国の選択無形民俗文化財に指定されており、大松明や太鼓の演奏など、迫力満点の祭りの様子は多くの人々を惹きつけます。

まとめ:近江八幡の魂が宿る場所

日牟禮八幡宮は、単なる神社ではなく、近江八幡の歴史、文化、信仰が凝縮された場所です。歴史と伝説、近江商人の信仰、そして荘厳な社殿と美しい境内、迫力満点の祭事… 近江八幡を訪れた際には、ぜひ日牟禮八幡宮に足を運び、その魅力を体感してみてください。 きっと、この地が持つ深い歴史と文化に触れることができるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 日牟禮(ひむれ)八幡宮 | 神社めぐり 【供TOMO(トモ)】 | 日本産こだわりの食品・雑貨ギフト・プレゼント専門通販サイト

– TOMO Genshin Official Store

[2] 日牟禮八幡宮、八幡堀は観光スポットであり地域の人が大切に残していきたい場所|滋賀県近江八幡市 | 地方創生メディア Mediall(メディアール)
[3] 日牟禮八幡宮 – Wikipedia
[4] 日牟禮八幡宮 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
[5] 日牟禮八幡宮|スポット・体験|【公式】近江八幡市観光情報サイト
[6] 日牟禮八幡宮の歴史と見どころ~近江八幡市~
[7] 由緒 – 日牟禮八幡宮

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