富山県高岡市伏木一宮に鎮座する気多神社は、越中国一宮として知られる由緒ある神社です。創建は養老2年(718年)と伝えられ、僧・行基による創建説や、天平年間(757~764年)に能登一宮の気多大社から勧請されたとする説など、複数の伝承が存在します。境内には越中国総社跡の伝承地も残っており、古くからこの地が越中国の中心地として重要な役割を担っていたことを物語っています。
国宝級の重要文化財と、息づく伝統
気多神社の本殿は、室町時代の建築様式を色濃く残す三間社流造で、その壮麗な姿は国の重要文化財に指定されています。大きな木割、虹梁・拳鼻・手挟といった技法は、当時の高度な建築技術の高さを示しています。本殿の前面には拝殿が、隣接して大伴家持を祀る大伴神社が建ち並び、境内は歴史の重みを感じさせます。
毎年4月18日に行われる春季例大祭では、「にらみ獅子」と呼ばれる神事が奉納されます。中世の行道形式を今に伝えるこの神事は、高岡市指定の無形民俗文化財にも指定されており、気多神社の伝統が現在も息づいていることを示しています。
大伴家持と万葉集の面影
奈良時代の歌人、大伴家持は越中国守として赴任した際に、気多神社を度々訪れたと伝えられています。境内には家持の歌碑も建立されており、万葉集の世界観を今に伝えています。家持ゆかりの神社として、大伴神社も存在し、毎年10月には大伴家持卿顕彰祭が行われます。
神秘的な雰囲気と数々の伝説
気多神社の境内は、独特の雰囲気を醸し出しています。数え切れないほどの灯籠が立ち並び、その神秘的な空間は、多くの参拝者を魅了しています。また、上杉謙信の兵火によって焼失した過去や、様々な伝承、そして「縁結び」のパワースポットとしても知られるなど、気多神社には数々の物語が秘められています。
アクセスと情報
気多神社は、JR氷見線伏木駅から徒歩25分、または能越自動車道高岡北ICから車で15分の場所に位置しています。境内には駐車場も完備されています。より詳しい情報は、気多神社の公式ウェブサイトや高岡市観光協会のウェブサイトをご確認ください。
まとめ
1400年以上の歴史を持つ気多神社は、国の重要文化財に指定された本殿、伝統的な神事「にらみ獅子」、万葉集ゆかりの大伴家持、そして神秘的な境内など、見どころ満載の神社です。歴史と伝統、そして神秘的な雰囲気を肌で感じたい方は、ぜひ一度訪れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 気多大社(羽咋市)
[2] 気多神社 – Wikipedia
[3] 氣多神社:北陸エリア | おでかけガイド:JRおでかけネット
[4] http://www5d.biglobe.ne.jp/~j-sakura/ketagenkyo.html