こうとうさまこと扇森稲荷神社:大分県竹田市の歴史と神秘に包まれたパワースポット

大分県竹田市に鎮座する扇森稲荷神社(おおぎもりいなりじんじゃ)。通称「こうとうさま」として親しまれるこの神社は、九州三大稲荷の一つとして知られ、古くから人々の信仰を集めてきました。17メートルもの高さの大鳥居が目を引くその境内には、400年を超える歴史と、数々の伝説や神秘が息づいています。

歴史と由緒:

元和2年(1616年)、岡藩主・中川久盛によって稲荷神が勧請され創祀されました。その後、「扇の森」の社号を岡藩(現在の竹田市)藩主である中川氏から賜り、現在の名称となりました。しかし、「こうとうさま」という呼び名は、それ以前からこの地に存在した信仰の名残りを伝えるものと言われています。近隣からは古墳時代(5世紀末)の古墳が多数発掘されており、副葬品からこの地が高位の人物が居住し、祭祀が行われていたことが示唆されています。扇森稲荷神社は、古神道の祭祀場、信仰の地であった歴史を背景に持つと言えるでしょう。

「こうとうさま」の由来:

「こうとうさま」の呼び名の由来には諸説ありますが、最も有力な説は、岡藩藩士が白狐の頭を埋めたことに由来する「狐頭原(こうとうばる)」という地名に関係しているというものです。 また、天保年間(1830年~1843年)には、第12代岡藩主・中川久昭公が江戸屋敷で、枕元に現れた「稲荷狐頭源大夫」と名乗る神霊から登城の危険を警告され、難を逃れたという逸話も伝えられています。この神霊への感謝から、神社が再建され、「こうとうさま」の呼び名が定着したと言われています。

伝説とエピソード:

扇森稲荷神社には、狐にまつわる様々な伝説が残されています。その一つに、お産に苦しむ女性を老婆が助けたという話があります。老婆が助けに向かった先は、なんと山の上の狐穴だったという、狐と老婆の不思議な物語です。これらの伝説は、古くからこの地に根付いた稲荷信仰と、狐神への畏敬の念を物語っています。

境内と見どころ:

境内には、100段にも及ぶ石段が続き、その頂上からは周囲の絶景を一望できます。また、境内には数多くの赤い鳥居が立ち並び、これらを通ることで運が開けると言われています。高さ17メートルの大鳥居は、大分県内でも最大級の規模を誇り、圧巻の光景です。

信仰とご利益:

扇森稲荷神社は、商売繁盛、家内安全、学業成就、安産、交通安全など、多岐にわたるご利益があるとされています。特に、初詣や初午大祭には、県内外から多くの参拝者が訪れ、賑わいを見せます。近年ではパワースポットとしても注目を集め、スピリチュアルな場所として知られています。

アクセスと情報:

JR豊肥本線玉来駅から徒歩20分、または豊後竹田駅から車で5分の場所に位置しています。広い駐車場も完備されているため、車でのアクセスも便利です。

まとめ:

扇森稲荷神社は、歴史、伝説、そして自然の美しさが見事に融合した、魅力あふれるパワースポットです。400年以上の歴史と、狐にまつわる数々の物語、そして雄大な自然を体感できるこの神社は、きっとあなたに忘れられない思い出を届けてくれるでしょう。 ぜひ、一度足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] YouTube
[2] 九州三大稲荷の一つ「扇森稲荷神社」|大分のエリア情報|別大興産大分(賃貸)
[3] 狐と老婆の伝説がある「扇森稲荷神社」【大分県】 | mocharina 着ぐるみ脱いで旅!
[4] 【扇森稲荷神社】大きな鳥居が目印の狐と老婆の伝説がある神社│LOG OITA
[5] 扇森稲荷神社 – Wikipedia
[6] こうとうさま | 扇森稲荷神社公式サイト 通称こうとうさま。九州三大稲荷 大分県竹田市にある扇森稲荷神社(狐頭様) おおぎもりいなり
[7] 扇森稲荷神社ホームページ
[8] 御由緒 | 扇森稲荷神社公式サイト 通称こうとうさま。九州三大稲荷 大分県竹田市にある扇森稲荷神社(狐頭様) おおぎもりいなり
[9] 扇森稲荷神社(こうとうさま) | 観光スポット | たけ旅 take_tabi|竹田市観光ツーリズム協会
[10] 扇森稲荷神社 | 竹田市のスポット情報 | iナビおおいた

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