栃木県足利市にひっそりと佇む西宮神社は、商売繁盛と開運の神様として、地元の人々はもちろん、関東一円から厚い信仰を集める由緒ある神社です。今回は、この足利の地に根付いた恵比寿様の魅力と、その歴史に隠されたエピソードをご紹介します。
足利西宮神社の基本情報
西宮神社は、栃木県足利市西宮町に鎮座しています。御祭神は、福の神として親しまれる「恵比寿様」こと蛭子命(ひるこのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)です。漁業や商売繁盛、そして笑顔と福を司る神様として崇敬されています。
戦国の荒廃から足利を救った恵比寿様
この神社の創建には、足利の歴史と深く結びついたエピソードがあります。戦国時代、足利のまちは度重なる戦によって荒廃し、人々は疲弊していました。そんな中、慶長8年(1603年)、徳川氏の代官であった風祭太郎左衛門が、領地の繁栄を願い、摂津国(現在の兵庫県)の西宮大神の分霊をこの地(当時の栗崎)に勧請したのが始まりと伝えられています。
恵比寿様のご加護はすぐに現れ、足利の織物業は飛躍的に発展し、農作物も豊かに実るようになりました。人々は「栗崎の恵比寿様のお陰」と感謝し、その霊験は関東一円に広がり、江戸や相模、武蔵からも多くの参詣者が訪れるようになり、各地に「恵比寿講」が結成されるほどだったといいます。代官所の庇護のもと始まった神社は、その後、地元有志の祭祀世話人会によって300年以上にわたり守り継がれてきました。
関東随一の賑わいを見せる「恵比寿講」
西宮神社の最大の魅力は、毎年11月19日と20日に行われる「恵比寿講」です。このお祭りは、開運や商売繁盛を願う人々で大変な賑わいを見せ、「関東随一の賑わい」と称されるほどです。
参道には約1キロメートルにわたって名物の「おたから市」が軒を連ね、威勢の良い声で客引き合戦が繰り広げられます。お宝を売る露天商と買い求める客との間で、景気の良い値段交渉が行われる光景は、まさに活気そのもの。鯛焼きや焼き栗、焼きそばといった食べ物から、玩具、衣類、さらには神棚や暦の店まで、多種多様な露店が並びます。
そして、恵比寿講のもう一つの見どころは、境内で奉納されるお神楽です。笛や太鼓の音に合わせて、「えびす」と「ひょっとこ」が釣竿の先に福餅をつけて踊りながら、見物人に糸を垂らす姿は、訪れる人々に笑顔と福を届けます。このユーモラスな神楽は、神社きっての人気行事となっています。
足利七福神めぐりの恵比寿神
西宮神社は、「足利七福神めぐり」の一つとしても知られ、恵比寿神(除災招福・商売繁盛)を祀る社寺として多くの参拝者が訪れます。通常、社務所に宮司が常駐していない場合が多いですが、1月1日から2月3日頃までは七福神の参拝受付が行われる期間もありますので、訪れる際は事前に確認することをおすすめします。
足利の歴史と人々の信仰が息づく西宮神社。特に恵比寿講の時期に訪れれば、その活気と福々しい雰囲気に包まれ、きっと心温まる体験ができるでしょう。笑顔と感謝の気持ちで恵比寿様にお参りし、来る年の商売繁盛と開運を願ってみてはいかがでしょうか。
関連リンク・参考文献
[1] 西宮神社(足利市) | 子供とお出かけ情報「いこーよ」
[2] 西宮神社の恵比寿講 | 足利市 公式ホームページ
[3] 西宮神社 | 足利市観光協会 | 学び舎のまち足利
[4] 足利西宮神社(栃木県足利市西宮町) | まほろば御朱印紀行
[5] 足利西宮神社 – 神社巡りジャパン
[6] YouTube
[7] 西宮神社の御朱印・アクセス情報(栃木県足利市駅)|ホトカミ
[8] Attention Required! | Cloudflare
[9] Attention Required! | Cloudflare
[10] 恵比寿講(栃木県/足利市)|開催期間・アクセス|るるぶ&more.
[11] 501 Not Implemented
[12] 501 Not Implemented
[13] 恵比寿講|観光Fan! 情報の検索
[14] 西宮神社 | 足利市観光協会 | 学び舎のまち足利