岡山県岡山市北区吉備津に鎮座する吉備津神社は、式内社(名神大社)、備中国一宮であり、現在は神社本庁の別表神社として崇敬を集めています。その歴史は古く、『延喜式』には「吉備津彦神社」として記載されています。現在では「吉備津神社」が正式名称です。
圧巻の国宝建築:吉備津造りの本殿・拝殿
吉備津神社の最大の魅力は、なんといっても室町時代中期(1425年)に再建された本殿と拝殿です。全国で唯一の「吉備津造り」(比翼入母屋造り)という独特の建築様式が採用されており、その雄壮な姿は国宝に指定されています。本殿から続く約360mの廻廊も県指定文化財に指定され、その美しい景観は訪れる人を魅了します。渡殿、釣殿、祭文殿、軒廊、拝殿、神饌と続く6棟も県重要文化財に指定されています。
鳴釜神事:神々の声が聞こえる?
吉備津神社では、古くから「鳴釜神事」が行われています。釜に水を注ぎ、その音で吉凶を占うこの神事は、神々の声が聞こえてくるかのような神秘的な体験として、多くの人々を惹きつけています。 平安時代の物語集『雨月物語』の「吉備津の釜」にも描かれており、歴史と神秘性を物語っています。
桃太郎伝説との関わり:鬼退治の舞台
吉備津神社は、桃太郎伝説の原型となったとされる吉備津彦命と温羅の伝説にも深く関わっています。境内には、鬼退治の矢を置いたと伝わる矢置岩や、鬼の首を埋めたと言われる御竈殿など、伝説にまつわる史跡が残されています。これらの史跡を訪れることで、桃太郎伝説の世界観を肌で感じることができます。
見どころ満載の境内
境内には、国宝の本殿・拝殿以外にも、国の重要文化財に指定されている南・北随神門や御竈殿、木造獅子・狛犬など、見どころが満載です。また、境内には約400本の牡丹や約1500株の紫陽花が咲き誇り、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。特に、紫陽花のシーズン(6月中旬~7月上旬)は、幻想的な雰囲気に包まれた境内を散策することができます。
アクセス情報
- 住所:〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931
- アクセス:JR吉備津駅から徒歩約10分、山陽自動車道岡山ICから約20分
- 拝観時間:境内拝観自由(授与所9:00~16:00/祈祷受付時間9:00~14:30) 開門5:00、閉門18:00
- 駐車場:普通車400台、大型車4台
まとめ
吉備津神社は、国宝級の建築、神秘的な鳴釜神事、そして桃太郎伝説と、見どころ満載の神社です。岡山を訪れた際は、ぜひ足を運んで、歴史と神秘に満ちた空間を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 吉備津神社|観光スポット | 岡山観光WEB【公式】- 岡山県の観光・旅行情報ならココ!
[2] 吉備津神社 – Wikipedia
[3] 【吉備津神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet