福岡県宗像市に鎮座する宗像大社は、沖ノ島、大島、本土の三つの宮からなる壮大な神社です。その歴史は古く、日本神話にも登場する由緒ある聖地として、古来より人々の信仰を集めてきました。今回は、宗像大社の歴史、伝説、そして知られざる一面に迫ります。
基本情報
- 正式名称: 宗像大社(むなかたたいしゃ)
- 所在地: 福岡県宗像市(辺津宮:田島、中津宮:大島、沖津宮:沖ノ島)
- 祭神: 宗像三女神(田心姫神・湍津姫神・市杵島姫神)
- 歴史: 創建は不詳ながら、古事記や日本書紀にも登場するほど古く、1600年以上の歴史を持つとされています。古代より、航海安全や国家鎮護の神として信仰され、特に沖ノ島は古代祭祀の中心地として栄えました。2017年には「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群として世界文化遺産に登録されました。
- 構成: 沖津宮(おきつぐう)、中津宮(なかつみや)、辺津宮(へつみや)の三宮からなり、辺津宮が総本社として機能しています。
辺津宮:歴史と信仰の中心
本土にある辺津宮は、宗像三女神の一柱である市杵島姫神が祀られています。本殿と拝殿は国の重要文化財に指定されており、その荘厳な姿は多くの参拝者を魅了します。境内には、宗像三女神の降臨の地とされる高宮祭場があり、古代祭祀の息吹を感じることができます。また、24社もの摂末社が境内や周辺に点在し、それぞれの神々が人々の暮らしを見守っています。
中津宮:七夕伝説と豊かな自然
大島にある中津宮は、湍津姫神が祀られています。大島は、七夕伝説の発祥の地とも伝えられており、毎年8月には鎌倉時代から続く七夕祭りが盛大に行われます。中津宮の境内からは、沖ノ島を含む美しい海域を一望でき、豊かな自然に囲まれた聖地として知られています。
沖津宮:神聖なる島と国宝の数々
沖ノ島にある沖津宮は、宗像三女神の一柱である田心姫神が祀られています。島全体が神域とされ、古くから女人禁制とされています。沖ノ島からは、鏡、勾玉、金製指輪など、8万点にも及ぶ国宝や重要文化財が出土しており、「海の正倉院」と呼ばれるほどです。これらの遺物は、古代の人々が国家の繁栄と海上の安全を祈願して奉納したものであり、古代東アジアにおける国際交流の盛況を物語っています。
伝説とミステリー:菊姫伝説
宗像大社には、数々の伝説やミステリーが伝えられています。その一つが、戦国時代の後継争いをめぐる「山田事件」と菊姫伝説です。宗像氏の正室の娘である菊姫は、妾腹の子に家督を奪われ、暗殺されたという悲しい物語です。この伝説は、宗像大社の歴史における光と影を象徴する出来事として、今も語り継がれています。
宗像大社と皇室
宗像大社は、古くから皇室との深い関わりがあり、歴代天皇や皇族の参拝が記録されています。これは、宗像大社が国家鎮護の神として崇められてきたことを示す重要な証左です。
「裏伊勢」と呼ばれる理由
宗像大社は、「裏伊勢」と呼ばれることもあります。これは、宗像大社と伊勢神宮が、それぞれ海と陸の守護神として、日本を東西から護っているという信仰に基づいています。また、宗像大社と皇室の深い繋がりも、この呼び名の由来の一つと考えられています。
訪れる際の注意点
- 沖ノ島は、現在も一般人の立ち入りが制限されています。
- 中津宮へは、フェリーを利用する必要があります。
- 辺津宮は、公共交通機関でもアクセス可能です。
- 参拝の際には、適切な服装で訪れることをお勧めします。
宗像大社は、歴史、信仰、自然、そしてミステリーが融合した、魅力あふれる聖地です。このブログ記事が、皆様の宗像大社への訪問のきっかけとなれば幸いです。
関連リンク・参考文献
[1] ZIPANG TOURISM: ジパングツーリズム | 日本をよりディープに旅するためのWebメディア
[2] 宗像大社 | 観光スポット | 【公式】福岡県の観光/旅行情報サイト「クロスロードふくおか」
[3] 世界に誇るべき美しき伝統と信仰 宗像大社に息づく1600年の歴史 – HISTRIP(ヒストリップ)|歴史旅専門サイト
[4] 『宗像三女神と菊姫怨霊伝説の地を巡る旅 ~宗像大社の歴史、その光と影~』宗像・古賀(福岡県)の旅行記・ブログ by maruhanabachiさん【フォートラベル】
[5] 宗像大社 – Wikipedia
[6] 宗像大社 / むなかた観光ガイド / 福岡県宗像市公式サイト
[7] 宗像大社(むなかたたいしゃ) | 観光スポット一覧 | 【公式】福岡市観光情報サイト よかなび
[8] 宗像大社 公式ホームページ | 由緒
[9] 宗像大社辺津宮 | 知る | 世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
[10] 宗像大社 中津宮 | 観光スポット | 【公式】福岡県の観光/旅行情報サイト「クロスロードふくおか」
[11] 宗像大社 公式ホームページ | 辺津宮