兵庫県丹波市春日町黒井に鎮座する兵主神社は、全国に19社ある兵主神社の一つであり、丹波国唯一の式内社です。天平18年(746年)創建と伝えられ、古くから地域の人々の信仰を集めてきました。
基本情報
- 所在地: 兵庫県丹波市春日町黒井(複数の資料で住所表記に若干の差異あり)
- 祭神: 大名持大神、少名彦大神、天香山大神、恵比須大神
- 旧社格: 県社
- アクセス: JR福知山線黒井駅より徒歩約10~15分、舞鶴若狭自動車道春日ICより約10分
歴史と伝説
兵主神社は、古くは「兵庫(つわものぐら)」の守護神として祀られていました。戦国時代以降は、疱瘡(天然痘)の守護神としても広く信仰を集め、特に近衛家とは深いゆかりがあり、数々の献上品が宝物として現在も保存されています。文化11年(1814年)には、時の内大臣・近衛基前が自ら揮毫した鳥居の額が寄進されたという逸話も残っています。その大きさは畳一畳ほどもあると言われています。
近衛家との関わりは、主上御疱瘡の時や皇子誕生の際には、内侍局より代参が立てられ、祈祷が行われたという記録が残っており、健康守護の神としても信仰されていたことが伺えます。嘉永2年(1849年)には、近衛忠熈が息子の疱瘡安全祈願を行い、全快を祈願したという記録も残っています。
境内には、樹齢数百年のオガタマノキをはじめとする巨木が茂る鎮守の森が広がり、環境緑地保全地域および丹波市指定天然記念物に指定されています。この森には、影向石と呼ばれる巨石があり、神が降臨したと伝えられる磐座として崇められています。また、注連縄は蛇の交尾を表しているとも言われ、古来からの信仰の深さを物語っています。
さらに、神社周辺には黒井城跡があり、織田信長、明智光秀の丹波攻めの舞台となった歴史的な場所でもあります。この地で活躍した武将、赤井直正の愛用の兜が神社に奉納されているという話も伝わっています。
見どころ
- 鎮守の森:巨木が茂る神秘的な空間。
- 影向石:神が降臨したとされる磐座。
- 鳥居の額:近衛基前が揮毫した貴重な文化財。
- 近衛家からの献上品:神社宝物として保存されている。
- 黒井城跡:戦国時代の歴史を感じさせる史跡。
その他
兵主神社は、パワースポットとしても注目されており、多くの参拝客が訪れています。紅葉の美しい秋には、特に多くの観光客が訪れるようです。
この兵主神社は、歴史、伝説、自然が一体となった、魅力あふれる場所です。丹波地方を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 兵主神社|兵庫県神社庁 神社検索
[2] 兵主神社 (丹波市) – Wikipedia
[3] 兵主神社 | おみえのいろは
[4] https://www.city.tamba.lg.jp/material/files/group/33/74982.pdf
[5] 兵主神社【アソビュー!】
[6] 兵の庫の守り神、兵主神社/神奈木流 体バランス法 | 神奈木流 体バランス法
[7] 兵主神社 | 観光スポット | 【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ | 知っておきたい観光情報が盛りだくさん!
[8] 兵庫の守護神「兵主神社」奥宮に磐座!近衛家と皇子御用達【丹波国(丹波王国)シリーズ/福知山シリーズ/丹波シリーズ】|やんまあ
[9] 兵主神社 蛇の化身と鎮守の杜の御神体 丹波市春日町 | 紅棗のVストでタカタカ古代里山散策