京都市西京区大原野南春日町に鎮座する大原野神社。延暦3年(784年)、桓武天皇の長岡京遷都の際に、奈良春日大社の祭神を勧請した古社です。「京春日」の別名を持ち、春日大社、吉田神社と並ぶ藤原氏の氏神三社の一つとして知られています。
基本情報
- 所在地: 京都府京都市西京区大原野南春日町1152
- 祭神: 武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売大神(ひめのおおかみ)
- アクセス: 阪急バス「南春日町」下車徒歩約10分
- 拝観時間: 境内自由(授与所:午前8時30分~午後5時)
- 拝観料: 無料
紫式部と大原野神社
『源氏物語』の作者、紫式部は、大原野神社を氏神として崇拝していました。彼女の和歌の中には、小塩山(大原野神社の鎮座する山)を詠んだものがあり、源氏物語にも大原野への帝の行列などが描かれています。神社を訪れると、紫式部の息遣いを感じることができるかもしれません。
見どころ
- 春日造の本殿: 慶安年間(1648~1652年)に再建された、春日造総檜皮葺の本殿は、朱塗りの美しい姿で訪れる人を魅了します。
- 狛鹿: 春日大社とのゆかりから、狛犬ではなく狛鹿が本殿を守っています。境内には鹿をモチーフにしたお守りやおみくじなどもあり、可愛らしい姿が印象的です。
- 鯉沢の池: 奈良の猿沢の池を模した池で、四季折々の風景が楽しめます。特に紅葉の季節は、池に映る紅葉が美しく、絶景ポイントとなっています。
- 瀬和井の清水: 古歌にも詠まれた名水。清らかな水が湧き出ています。
- 樹齢500年のモミの木跡: 台風で倒れたモミの木をくり抜いた休憩スポット。木霊の力を体感できる、神秘的な空間です。
- 広大な境内: 約8万3000㎡の広大な境内は、散策するだけでも気持ちが良いでしょう。春には桜、初夏には花々、秋には紅葉と、四季を通じて美しい景色を楽しめます。
歴史と伝説
大原野神社は、平安時代以前から由緒ある古社です。長岡京遷都の際に、藤原氏の氏神である春日大社の神々を勧請したことが始まりとされています。藤原氏の隆盛とともに、天皇や皇后の崇敬も厚く、官祭である大原野祭には勅使が派遣されていました。応仁の乱後は衰えましたが、現在も多くの参拝者を集める信仰の深い神社です。 清和天皇の皇后、藤原高子が参詣した際、在原業平が和歌を詠んだという逸話も残されています。
その他
大原野神社は、紅葉の名所としても知られています。境内は参道から本殿まで紅葉が美しく、特に秋には多くの観光客が訪れます。また、近年では結婚式の前撮り撮影スポットとしても人気が高まっています。
大原野神社は、歴史、自然、そして信仰が融合した、魅力あふれる場所です。京都を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 大原野神社 | 京都 デジタル茶の湯マップ
[2] 「大原野神社」京春日と呼ばれている神社。丹塗りの荘厳な本殿 | ピクスポット | (絶景・風景写真・撮影スポット・撮影ガイド・カメラの使い方)
[3] 大原野神社 – Wikipedia
[4] 大原野神社|検索詳細|地域観光資源の多言語解説文データベース
[5] 大原野神社|そうだ 京都、行こう。
[6] 紫式部も氏神と崇めた[大原野神社]の見どころをご案内! | Leaf KYOTO
[7] 大原野神社|【京都市公式】京都観光Navi
[8] ご由緒 – 大原野神社
[9] 源氏物語にも記される、悠々とした古社 – うちまちだんち
[10] 大原野神社 | 京都府 人にやさしいまちづくり
[11] 大原野神社の紅葉♪紫式部「源氏物語」ゆかりの神社は平安時代から紅葉名所(京都西京) | とっておきの京都プロジェクト
[12] 紫式部ゆかりの「大原野神社」へ – リビング京都
[13] 京都《大原野神社》紫式部が訪れた“京の春日さん”【前編】|源氏物語ゆかりの定番名所① | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン