下村加茂神社:歴史と神秘に包まれた富山のパワースポット

富山県射水市(旧下村)に鎮座する加茂神社は、地元では「下村加茂神社」として親しまれる由緒ある神社です。1066年(治暦2年)、第70代後冷泉天皇の時代に、京都の賀茂御祖神社(下鴨神社)の神領であった倉垣庄の総社として創建されたと伝えられています。平安時代の京都文化を色濃く残す神事の数々は、今もなお大切に受け継がれ、多くの参拝者を魅了しています。

歴史と伝統:平安の息吹を今に伝える

加茂神社の歴史は古く、創建以来、地元の人々から篤い信仰を集めてきました。かつては広大な倉垣庄の中心地として栄え、その範囲は射水郡、婦中郡の多くの村々を包含していたと言われています。大正元年の富山日報社(現北日本新聞社)による県内社寺の人気投票では、最も信仰の篤い神社として最高位に輝いたという記録も残っています。

神社の祭神は、玉依姫命、賀茂建角身命、賀茂別雷命と、京都の賀茂神社の祭神を祀っています。このことから、京都の賀茂神社との深い繋がりを感じることができます。

神秘的な神事:五感を刺激する伝統芸能

加茂神社では、年間を通して様々な神事が行われています。中でも有名なのが、5月4日に行われる「加茂祭(やんさんま祭り)」です。県指定無形民俗文化財に指定されているこの祭りは、県内唯一の流鏑馬と全国唯一の牛乗式が特徴で、勇壮な神事として知られています。流鏑馬では、騎手が疾走しながら矢を射る姿は圧巻です。また、牛乗式は、田の神様を乗せた牛を神前に座らせる神事で、五穀豊穣を祈念する重要な儀式です。

9月4日に行われる「稚児舞」は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、平安時代から続く伝統芸能です。可愛らしい稚児たちの舞は、神聖な雰囲気の中で観る者の心を癒します。その他にも、御田植祭、鰤分け神事など、多くの神事が行われ、一年を通して神社は活気に満ち溢れています。

「下村の脚気の宮」:信仰の深さと霊験あらたかなご利益

加茂神社は、「下村の脚気の宮」としても知られています。古くから脚気に霊験があるとされ、多くの参拝者が健康祈願に訪れています。五穀豊穣、殖産興業、進学成就、安産、交通安全、家内安全、病難災厄除けなど、多方面にわたるご利益があると伝えられています。

アクセスと周辺情報

加茂神社へのアクセスは、あいの風とやま鉄道線呉羽駅、小杉駅から車で約10分、15分。北陸自動車道富山西インターチェンジ、小杉インターチェンジからも車でアクセス可能です。駐車場も完備されています。神社のすぐ隣には下村馬事公園があり、乗馬体験も可能です。

まとめ:歴史と神秘が織りなす聖地

下村加茂神社は、歴史と伝統、そして神秘的な神事の数々が織りなす、まさにパワースポットと言えるでしょう。訪れる人々を平安時代の文化へと誘い、心安らぐひとときを提供してくれる場所です。ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 下村加茂神社(射水市) | GOOD LUCK TOYAMA|月刊グッドラックとやま
[2] 由緒 | 下村加茂神社

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