八代市鏡町の神秘と活気!印鑰神社の魅力に迫る

熊本県八代市鏡町に鎮座する印鑰神社。そのユニークな名前の由来や、独特の祭事、そして歴史にまつわる数々のエピソードは、訪れる人を魅了してやみません。今回は、そんな印鑰神社の魅力を余すことなくご紹介します。

基本情報

  • 所在地: 熊本県八代市鏡町鏡村1
  • 御祭神: 蘇我石川宿禰(そがのいしかわのすくね)
  • 創建: 建久9年(1198年)
  • 旧社格: 村社
  • 主な神事: 春季大祭(鮒取り神事)、秋季大祭

「印鑰」の謎:神社名の由来

印鑰神社という名前、少し聞き慣れないかもしれませんね。実はこの「印鑰(いんにゃく)」とは、奈良時代から平安時代にかけての律令制において、朝廷から地方の役所(国庁)に下賜された「公印」と「正倉の鍵」を意味します。八代郡には郡司があり、租税として集められた米は郡倉に保管されていました。その重要な「印」と「鑰」が、別殿に厳重に保管され祀られていたことから、神社の名前が「印鑰神社」となったと言われています。現在も境内には「八代郡倉跡」の看板があり、歴史の重みを感じることができます。

蘇我石川宿禰と鏡ヶ池の伝説

印鑰神社の御祭神である蘇我石川宿禰は、武内宿禰の三男と伝えられています。筑紫の凶徒を鎮めるためこの地を訪れ、生涯を終えたとされています。神社の創建は、後鳥羽天皇の建久9年(1198年)、相良三郎名頼が弟の為頼に命じて、鏡ヶ池の近くに社殿を建立したことに始まります。

そして、この鏡ヶ池には、興味深い伝説が残されています。石川宿禰が九州の豪族を鎮めるためにこの地を訪れた際、悪天候で漁ができず困っていたところ、地元の若者たちが鏡ヶ池に飛び込み、鮒を捕まえて献上したというのです。この故事にちなみ、毎年行われる「鮒取り神事」は、印鑰神社の最大の見どころとなっています。

泥んこ祭り!「鮒取り神事」の迫力

4月29日(令和7年度は変更の可能性あり)に行われる春季大祭の「鮒取り神事」は、八代市指定無形民俗文化財にも指定されている、大変珍しい神事です。締め込み姿の若者たちが鏡ヶ池に飛び込み、泥まみれになりながら鮒や鯉を捕獲します。捕獲した魚は神前に奉納され、余った魚や泥は、無病息災を祈願する見物客に投げかけられます。泥が当たると無病息災のご利益があると言われ、独特の賑やかさと活気に満ちた祭りです。まさに「泥んこ祭り」と呼ぶにふさわしい、迫力満点の神事です。

境内には800年を超える大楠も!

境内には、推定樹齢800年を超える7本の大楠がそびえ立ち、その圧倒的な存在感は、神社の歴史の深さを物語っています。天正年間(1573~1592)の神社焼失時にも生き残ったこれらの巨木は、静かに時の流れを見つめてきたのでしょう。

神秘と活気に満ちた印鑰神社

歴史、伝説、そして独特の祭事。印鑰神社は、静かな神秘と、活気あふれる祭りの両面を併せ持つ、魅力的な場所です。熊本を訪れた際は、ぜひ足を運んで、その魅力を体感してみてください。 きっと忘れられない思い出となるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 印鑰神社(印にゃく神社) ホームページ  |熊本県八代市鏡町|
[2] 印鑰神社 – 八代市鏡町鏡村/神社 | Yahoo!マップ
[3] 印鑰神社 (八代市) – Wikipedia
[4] 印鑰神社
[5] 501 Not Implemented
[6] 印鑰(いんにゃく)神社 八代郡倉にちなむ旧鏡町の村社│Harada Office Weblog

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