播磨国一の宮 伊和神社:悠久の歴史と神秘に包まれた聖地

兵庫県宍粟市一宮町須行名に鎮座する伊和神社は、播磨国一の宮として知られる由緒ある神社です。式内社(名神大社)であり、旧社格は国幣中社、現在は神社本庁の別表神社に列せられています。海神社、粒坐天照神社とともに「播磨三大社」の一つにも数えられ、古くから人々の信仰を集めてきました。

歴史と伝説:

伊和神社の創建は古く、諸説ありますが、一説には、大己貴神(オオナムチノカミ)が播磨国を巡り、この地に「おわ(終わる)」と告げて鎮まったことに由来すると伝えられています。 『播磨国風土記』には、播磨国の神である伊和大神と葦原志許乎命(大己貴神の別称)が同神とみなせる記述があり、その神格の高さを示しています。

また、別の伝説では、伊和の恒郷に「我を祀れ」という神託があり、一夜のうちに草木が生い茂り、多くの鶴が舞い降り、二羽の大きな白鶴が石上に眠っていたことから、そこに社殿が造営されたとされています。この石は「鶴石」と呼ばれ、現在も境内で見ることができます。この伝説は、神社の神秘性を高め、人々の信仰を深める一因となっています。

祭神とご利益:

主祭神は大己貴神で、少彦名神、下照姫神が配祀されています。大己貴神は、国土開発、産業振興、医療の神として知られ、伊和神社では、農業・工業・商業などの産業発展、縁結び、福徳、厄除け、病気平癒、交通安全など、幅広いご利益があるとされています。

見どころとイベント:

広大な境内には、夫婦杉をはじめとする巨木が茂り、神聖な雰囲気に包まれています。本殿裏の鶴石は、神社のシンボル的存在であり、多くの参拝者が訪れます。

年間を通して様々な祭事が行われており、特に10月15日・16日の秋季大祭は、地元住民が一体となって盛大に執り行われる一大イベントです。屋台行事なども行われ、賑やかな雰囲気を味わえます。また、8月26日の風鎮祭では、境内に灯籠が灯され、幻想的な光景が広がります。

アクセス:

JR山陽本線姫路駅から神姫バスを利用し、山崎バス停から乗り換え、「一宮伊和神社」バス停下車です。車の場合は、中国自動車道山崎ICから国道29号を北へ約15kmです。境内には駐車場も完備されています。

まとめ:

伊和神社は、歴史と伝説、そして自然豊かな環境が調和した、魅力あふれる神社です。神々しい雰囲気と、人々の信仰の厚さを感じることができるでしょう。播磨地方を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 伊和神社|兵庫県神社庁 神社検索
[2] 伊和神社 – Wikipedia

By ando