古き良き時代の面影を残す滋賀県甲賀市土山町北土山に鎮座する田村神社は、東海道の要衝として知られる鈴鹿峠の北側に位置する由緒ある神社です。県社に格付けされ、その歴史は古く、垂仁天皇四十五年(推定2世紀後半)の創祀と伝えられています。
基本情報
- 所在地: 滋賀県甲賀市土山町北土山
- 祭神: 主祭神は坂上田村麻呂公、嵯峨天皇、倭姫命。配祀神として稲倉魂命、大己貴命、国狭槌尊、大山咋神、荒魂が祀られています。
- 旧社格: 県社
- アクセス: 国道1号線沿い、道の駅あいの土山に隣接。駐車場あり。JR貴生川駅からバスで約30分、新名神高速道路甲賀土山ICから車で約10分。
歴史と伝説:鈴鹿峠と坂上田村麻呂
田村神社の創建には、平安時代の武将・坂上田村麻呂と鈴鹿峠にまつわる数々の伝説が深く関わっています。
一つの説では、弘仁3年(812年)、嵯峨天皇の勅命により、鈴鹿峠の悪鬼を退治した田村麻呂を祀るため創建されたとされています。この悪鬼の正体については諸説あり、「田村の草子」などでは身長30mにも及ぶ大嶽丸とされ、鈴鹿御前という天女が深く関わっていたとも伝えられています。一方で、鈴鹿御前自身が悪鬼、もしくは女盗賊であったとする説もあり、田村麻呂がそれを退治したとする説も存在します。
別の説では、薬子の変(810年)において、嵯峨天皇の命を受けた田村麻呂が鈴鹿峠に兵を置いた藤原仲成の勢力を打ち破ったことがきっかけで、翌年の疫病蔓延を鎮めるため、田村麻呂を祀ったとされています。
これらの伝説は、田村神社が交通安全や厄除けのご利益があるとされる所以となっています。
厄除大祭:賑わいを見せる3日間
田村神社は、毎年2月18日を中心とした3日間にわたって行われる厄除大祭で有名です。この祭礼には例年20万人もの参拝者が訪れ、境内は活気に満ち溢れます。独特の慣習として、太鼓橋から福豆を流して厄落としをする風習があります。
静寂と活気:対照的な魅力
普段は静寂に包まれた境内は、参拝者にとって心を落ち着かせ、穏やかな時間を過ごすことができる場所です。一方、大祭の時期には、活気に満ちた非日常的な体験ができます。この静寂と活気という対照的な魅力が、田村神社の大きな特徴と言えるでしょう。
見どころ
- 神明石鳥居
- 拝殿
- 太鼓橋
- 境内社
まとめ
田村神社は、歴史と伝説、そして静寂と活気という対照的な魅力を併せ持つ、訪れる価値のある神社です。鈴鹿峠の歴史、坂上田村麻呂の伝説、そして賑やかな厄除大祭など、様々な角度から楽しめる魅力的な場所となっています。 ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 【田村神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[2] 田村神社 (甲賀市) – Wikipedia
[3] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁
[4] 田村神社 – 伝承怪談奇談・歴史秘話の現場を紹介|日本伝承大鑑
[5] 滋賀県 田村神社 ご祭神・由緒
[6] 田村神社のご案内 | 讃岐國一宮 田村神社
[7] 静寂の境内と大祭の活気も満喫できる「田村神社」の御朱印巡りデート|滋賀 – 縁結び大学
[8] YouTube
[9] #38|讃岐国一宮・田村神社|龍神伝説と多彩なご利益に包まれる社|あかね|香川の開運巡り
[10] 0115 恐ろしい龍神伝説と1300年の歴史「田村神社」(香川県)|弥栄(いやさか)
[11] 田村神社~見上げる程大きい龍!龍神伝説が伝わる四国随一の聖地~|神社専門メディア 奥宮-OKUMIYA-