御形神社:播磨の地に息づく古代のロマン

兵庫県宍粟市一宮町に鎮座する御形神社(みかたじんじゃ)。古くから人々の信仰を集め、歴史と神秘に満ちたこの神社の魅力を紐解いていきましょう。

基本情報

  • 所在地: 兵庫県宍粟市一宮町森添280
  • 祭神: 葦原志許男神(あしはらのしこおのかみ)を主祭神とし、他に高皇産靈神、素戔嗚神、月夜見神、天日槍神を祀る。葦原志許男神は大国主神の別名としても知られ、「甦り」「再生」といった力を持つ神として信仰されている。
  • 社格: 式内小社、旧県社
  • 建築: 本殿は三間社流造、檜皮葺で、大永7年(1527年)の建立。室町時代後期の建築様式と技法を受け継ぎ、昭和42年には国の重要文化財に指定された。鮮やかな朱色の社殿は、繊細な彫刻と美しい木組みが特徴。

伝説と歴史

御形神社の歴史は古く、『播磨国風土記』にもその名が記されている。同書には、葦原志許男神と天日槍命が黒葛(つづら)を投げて領地を分け合ったという記述があり、その際に葦原志許男神の黒葛が落ちた地が「御方(みかた)」となり、神社の名前の由来となったとされる。

また、神社の創建は、高峰山山頂にあったと伝えられるが、宝亀3年(772年)に、里人が一夜にして三本の大杉が立つ夢を見たことをきっかけに、現在の地へ遷座されたという伝説が残る。この大杉は「夜の間杉」と呼ばれ、現在も本殿裏に存在する。

さらに、葦原志許男神が高峰山を去る際に、形見として愛用の杖を地に刺したことから「御形(みかた)」の名がついたという説もある。

これらの伝説は、御形神社が古代から人々の信仰を集め、歴史の重みを感じさせる場所であることを物語っている。

見どころ

  • 重要文化財の本殿: 室町時代後期の建築様式を伝える、見事な彫刻と木組みを持つ本殿は必見。
  • 夜の間杉: 遷座の伝説にまつわる、歴史ある大杉。
  • 正福寺桜: 兵庫県固有種の珍しい桜。春には淡紅色の八重桜が咲き誇る。
  • ジャンボ絵馬: 縦4.5m、横7.2mの巨大な絵馬は、「日本一の絵馬」とも称される。

アクセス

中国自動車道山崎ICから約25km。公共交通機関では神姫バスを利用し、「三方北」バス停下車後、徒歩約15分。

御神徳

御形神社では、氏子繁栄、五穀豊穣、産業育成、祈雨祈晴、病気平癒などのご利益があるとされている。特に、秘伝の病気平癒の蟇目(ひきめ)祈祷は、大病難病に効果があるとされ、広く知られている。

まとめ

御形神社は、歴史と伝説、そして美しい自然に囲まれた、魅力あふれる神社である。訪れる人々に、古代のロマンと静寂な空間を提供してくれるだろう。 ぜひ、一度足を運んで、その神秘に触れてみてはいかがだろうか。

関連リンク・参考文献

[1] 御形神社 (宍粟市)
[2] 御形神社 (兵庫県宍粟市一宮町森添) – 神社巡遊録
[3] 御由緒|御形神社 – 宍粟市
[4] 御形神社 | しそうツーリズムガイド
[5] 御形神社(みかたじんじゃ、宍粟市) : 古代史探訪
[6] 御形神社 | 兵庫県・西播磨ツーリズム・観光ガイド|西播磨遊記
[7] (40)一宮町『御形(みかた)神社』 | 宍粟市山崎文化協会
[8] 御形神社 – Wikipedia

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