鳥取県西伯郡大山町に鎮座する大神山神社は、古くから大山信仰の中心地として栄え、多くの伝説や神秘的なエピソードを秘めた神社です。今回は、その魅力を余すことなくご紹介します。
基本情報
大神山神社は、伯耆国二宮として知られる式内社で、旧社格は国幣小社です。大山山麓には「本社」が、山腹には「奥宮」が鎮座しており、それぞれ異なる魅力を持っています。
- 本社: 米子市内に位置し、家内安全や勝運祈願など、多くの参拝客が訪れます。境内には、牛馬守護神として崇敬された牛の彫刻が施された石灯籠が立ち並び、歴史を感じさせます。冬期間は奥宮への参拝が困難なため、本社が冬宮として機能しています。
- 奥宮: 約700メートルにも及ぶ自然石を敷き詰めた参道は、日本最長を誇ります。参道の終点には、国指定重要文化財である権現造りの社殿が建ち並び、その規模は国内最大級です。社殿内部は、日本最大級の白檀の漆塗りで彩られ、鮮やかな壁画と彫刻が施されています。この白檀の漆塗りの美しさもまた、日本一と称されています。
三つの「日本一」
大神山神社奥宮は、以下の三つの「日本一」を誇ります。
1. 日本最長の参道: 約700メートルの自然石敷きの参道は、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
2. 国内最大級の権現造り社殿: 国指定重要文化財である社殿は、その規模と造りの美しさから、国内最大級と評価されています。
3. 日本最大級の白檀の漆塗り: 奥宮幣殿の白檀の漆塗りは、その規模と美しさにおいて日本一と称されています。
歴史と伝説
大神山神社の歴史は古く、大山信仰と深く関わっています。「大山寺」という名称は、大山の古い呼び名であり、大山を崇める中腹に遥拝所を設けたのが始まりと言われています。神仏習合の時代には、大山寺と大神山神社奥宮は勢力を拡大し、多くの僧坊が存在していました。明治時代の神仏分離令により、大智明大権現の社殿を大山寺から分離し、現在の大神山神社奥宮となりました。
奥宮神門は「逆門(後向き門)」とも呼ばれ、参拝者は門を背にして境内に入ります。これは、神域への侵入を防ぐため、あるいは神様を送り出すための儀式的な意味合いを持つと考えられています。
祭事
大神山神社では、春季大祭、大山夏山開き祭り、古式祭(神水汲取神事)、秋季大祭など、様々な祭事が行われています。特に古式祭は、現在では貴重な祭りとなっています。
神秘とミステリー
700メートルにも及ぶ参道、巨大な社殿、そして歴史と伝説…大神山神社には、多くの謎と神秘が潜んでいるように感じます。静寂に包まれた境内を歩けば、古代からの信仰の息吹を感じ、不思議な力に満ちた空間を体験できるでしょう。
アクセス
- JR米子駅から大山情報館バス停までバスで約50分、車で約30分
- 米子道溝口ICより車で約30分
- 大山博労座駐車場:普通車約1,000台、大型バス13台
大神山神社は、歴史、自然、そして神秘が融合した、まさにパワースポットと言えるでしょう。鳥取県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] とっとり旅 【公式】鳥取県観光旅行情報サイト
[2] 大神山神社奥宮 本殿・幣殿・拝殿・大神山神社神門(逆門・後向き門) | 鳥取大山観光ガイド
[3] とっとり旅 【公式】鳥取県観光旅行情報サイト
[4] 大山寺・大神山神社(おおがみやまじんじゃ)奥宮