基本情報
大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)は、徳島県鳴門市大麻町板東に鎮座する神社です。阿波国一宮であり、県内でも有数の格式を誇り、古くから「おわさはん」として親しまれてきました。主祭神は大麻比古神(おおあさひこのかみ)で、天太玉命(あめのふとだまのみこと)と同神とされる説もあります。配祀神として猿田彦大神(さるたひこだいじん)が祀られています。旧社格は国幣中社、現在は神社本庁の別表神社です。
歴史と伝説
社伝によれば、神武天皇の御代、天太玉命の孫神である天富命が阿波忌部氏を率いて阿波国に移住し、麻や楮の種を播き、麻布や木綿の生産を始めたことに始まります。天富命は、守護神として天太玉命(大麻比古神)を祀ったと伝えられています。平安時代以降、多くの記録が残されており、南北朝時代には細川氏の、室町時代には三好家の、江戸時代には徳島藩主蜂須賀家の庇護を受けました。明治13年(1880年)には本殿以下が国費によって造営されました。
主祭神である大麻比古神については諸説あり、古くは猿田彦大神が主祭神であったとする説や、天日鷲命(あめのひわしのみこと)が本来の主祭神であるとする説もあります。大麻比古神は天日鷲命の子神であるとする説もあり、その正体は津咋見命(つくいみのみこと)ではないかとする説も存在します。津咋見命は港や交通に関連する神とされ、忌部氏の衰退とともに忘れられ、交通の神として人気の高かった猿田彦大神が祀られるようになったという説も興味深いです。
境内と見どころ
広大な境内には、本殿の他に8つの末社が鎮座しています。それぞれの末社には、食の神様(豊受社)、山の神様(山神社)、耳の神様(中宮社)、土地の神様(丸山神社)、商売繁盛の神様(丸山稲荷社)、水の神様(水神社)、学問の神様(天神社)、天照大神(西宮社)など、様々な神々が祀られています。
境内には樹齢1000年ともいわれるご神木の楠や、ドイツ橋など歴史を感じさせる建造物も存在します。大楠は鳴門市の天然記念物に指定されています。本殿裏手には大麻山があり、約90分の登山で奥宮である峯神社(みねじんじゃ)へ行くことができます。峯神社には猿田彦大神が祀られています。
第一次世界大戦時のドイツ人捕虜が神社の敷地内に池を作り、眼鏡橋やドイツ橋を架けたという歴史も残っており、異国情緒を感じさせるスポットでもあります。
初詣と年間行事
大麻比古神社は、初詣の参拝者数が県内でもトップクラスを誇ります。正月三が日には、20万人以上もの参拝客で賑わいます。年間を通して様々な祭事が行われており、地元の人々にとって重要な信仰の中心となっています。
アクセス
JR高徳線「板東」駅から徒歩約15分。駐車場も1000台分(初詣期間中は200台増)あり、車でのアクセスも便利です。
まとめ
大麻比古神社は、長い歴史と数々の伝説、そして神秘的な雰囲気を持つ、魅力的な神社です。自然豊かな環境に囲まれた境内は、心身ともに癒される空間となっています。徳島県を訪れた際には、ぜひ訪れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 大麻比古神社 – Wikipedia
[2] 大麻比古神社 | かむながらのみち ~天地悠久~
[3] 神社人 – 大麻比古神社
[4] 大麻比古神社|
観光施設 |鳴門市うずしお観光協会
[5] 【大麻比古神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet