兵庫県加古川市八幡町野村に鎮座する宗佐厄神八幡神社は、「厄除八幡宮」や「厄神さん」の愛称で親しまれる由緒ある神社です。古くからの信仰を集め、その歴史と神秘的な雰囲気は多くの参拝者を魅了しています。
基本情報
- 正式名称: 宗佐厄神八幡神社(そうさやくじんはちまんじんじゃ)
- 所在地: 兵庫県加古川市八幡町野村
- 祭神: 主座:品陀別命(八幡大神)、脇座:息長足媛命、仲姫命
- 旧社格: 郷社
- 通称: 厄除八幡宮、厄神さん、宗佐の厄神さん
歴史と伝説:和気清麻呂と巨猪の奇跡
神社の創建は天平勝宝元年(749年)と伝えられ、孝謙天皇の勅願所として創立されました。 しかし、宗佐厄神八幡神社を語る上で欠かせないのが、和気清麻呂公と巨猪にまつわる伝説です。
神護景雲3年(769年)、和気清麻呂公が宇佐八幡宮へ向かう途中、皇位を奪おうとする僧・道鏡の刺客に襲われます。その時、神社境内から一頭の、あるいは一説には300頭もの巨猪が飛び出し、刺客たちを蹴散らし、清麻呂公を救ったと伝えられています。この奇跡的な出来事から、厄除けの神として崇敬されるようになったと言われています。
この伝説は、明治23年(1888年)発行の日本銀行券改造十円券(通称「表いのしし」)や、明治32年(1899年)発行の日本銀行券甲十円券(通称「いのしし札」)にも描かれた猪と、和気清麻呂公の図像に反映されていると言われています。 これらの紙幣は、現在では貴重なコレクターズアイテムとなっています。
また、この伝説は、和気清麻呂ゆかりの神社、例えば護王神社や、各地の和気神社にも影響を与えていると考えられています。 清麻呂公が猪に負傷した際に療養したという伝承も、福岡県北九州市の御祖神社(足立山妙見宮)に残されているそうです。
厄除け大祭と年間行事
宗佐厄神八幡神社は、厄除けの神として広く知られており、毎年2月18日・19日に行われる厄除大祭は、播磨三大祭りの一つとして有名です。 全国から多くの参拝者が訪れ、境内は賑わいを見せます。 露天や植木市なども開催され、春の訪れを告げる一大イベントとなっています。 その他、5月24日には境内にある八社のお宮のお祭り「小宮八社祭」も執り行われています。
境内と社殿
山の中腹に位置する神社は、静かで神聖な雰囲気に包まれています。 銅板屋根が美しい本殿は宝永4年(1707年)の再建、内拝殿は文政5年(1822年)の再建と伝えられています。 神楽殿や神輿庫など、境内には歴史を感じさせる建造物が点在しています。
アクセス
JR加古川線厄神駅から徒歩約25分、または東播磨道八幡稲美ICから車で約5分と、比較的アクセスしやすい立地にあります。
まとめ
宗佐厄神八幡神社は、歴史と伝説、そして人々の信仰が深く根付いた神社です。 和気清麻呂公と巨猪の奇跡の物語は、今もなお人々の心に語り継がれ、厄除けの信仰を集めています。 加古川を訪れた際には、ぜひ訪れて、その神聖な雰囲気と歴史を感じてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 宗佐厄神八幡神社: 加古川の歴史と伝統が息づく神聖な聖域
[2] 宗佐厄神八幡神社 兵庫県加古川市八幡町野村 – 神社と古事記
[3] 宗佐の厄神さんで知られる八幡神社に取材に行ってまいりました♪♪ | 地元民が語る加古川ネタ知っとう? | まいぷれ[加古川市]
[4] 宗佐厄神八幡神社 由緒
[5] 宗佐厄神八幡神社 – 加古川市八幡町野村/神社 | Yahoo!マップ
[6] 宗佐厄神八幡神社 – Wikipedia
[7] 宗佐厄神八幡神社 厄神大祭 [加古川市]