奈良県桜井市穴師に鎮座する穴師坐兵主神社。その歴史は古く、延喜式神名帳にも記載されている格式高い神社です。しかし、その歴史や祭神については謎が多く、古代史のロマンを感じさせる魅力的な場所でもあります。
基本情報
- 所在地: 奈良県桜井市穴師1065
- 祭神: 兵主神(御食津神とも)、若御魂神(稲田姫命とも)、大兵主神(八千戈命など諸説あり)
- 旧社格: 県社
- 創建: 不明(社記によると崇神天皇60年、倭姫命が創建とされる説も)
三社の合祀と謎めいた歴史
穴師坐兵主神社は、元々は穴師坐兵主神社(名神大社)、巻向坐若御魂神社(式内大社)、穴師大兵主神社(式内小社)の三社が室町時代に合祀されたものです。現在、三殿が並立する壮観な本殿は、その歴史の重みを感じさせます。
しかし、それぞれの神社の創建時期や当初の鎮座地は諸説あり、いまだに謎に包まれています。特に、元の穴師坐兵主神社の鎮座地とされる「弓月岳」の具体的な場所については、竜王山、穴師山、巻向山の三説があり、決定的な証拠は見つかっていません。この謎めいた歴史が、多くの古代史研究家や愛好家を惹きつけてやまない理由の一つでしょう。
相撲発祥の地との関わり
穴師坐兵主神社は、相撲発祥の地とも深く関わっています。日本書紀には、垂仁天皇の前で当麻蹶速と出雲の野見宿禰が力比べをした場所として記されており、境内には相撲神社も鎮座しています。この伝説は、神社が古代において、国家の祭祀や呪術と深く関わっていたことを示唆しています。
みかん栽培発祥の地
穴師の里は、みかん栽培発祥の地としても知られています。記紀によると、田道間守が不老不死の霊薬を求めて常世の国から持ち帰った「やまとたちばな」が、最初に植えられたのがこの地だと言われています。神社周辺にはみかん畑が広がり、季節によってはみかん狩りを楽しむこともできます。
アクセスと周辺環境
JR桜井駅からバスでアクセスできます。周辺には、箸墓古墳、崇神天皇陵、景行天皇陵など、古代史の遺構が数多く点在しています。これらの史跡を巡る旅の拠点として、穴師坐兵主神社を訪れるのも良いでしょう。
まとめ
穴師坐兵主神社は、その歴史と謎に満ちた魅力で、多くの観光客を惹きつけています。古代史への関心が高い方、静かな自然の中で歴史を感じたい方にとって、まさに必見のスポットと言えるでしょう。 ぜひ、足を運んで、その神秘的な雰囲気を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 穴師坐兵主神社 (改訂2) | かむながらのみち ~天地悠久~
[2] 穴師坐兵主神社
[3] 穴師坐兵主神社 – Wikipedia
[4] 穴師坐兵主神社 桜井市穴師
[5] 穴師坐兵主神社(奈良県/三輪)のアクセス・営業時間・料金情報|るるぶ&more.
[6] http://sakuwa.com/ya29-1.html
[7] 邪馬台国物語の会|穴師坐兵主神社と相撲神社