滋賀県栗東市の菌神社:きのこの神様を祀る神秘の社

古来より人々の生活に深く関わってきた「菌」。その中でも、キノコを祀る珍しい神社として知られるのが、滋賀県栗東市にある菌神社(くさびらじんじゃ)です。

基本情報

  • 名称: 菌神社(くさびらじんじゃ)
  • 所在地: 滋賀県栗東市中沢
  • アクセス: JR琵琶湖線「栗東」駅下車徒歩15分、または県道31号栗東支那中線「苅原」交差点から南西へ。
  • 管理: 伊砂砂神社(草津市)
  • 祭神: 大斗能地神(オオトノジノカミ)、大斗乃辨神(オオトノべノカミ)
  • 文化財: 本殿は栗東市指定文化財

由緒と伝説

菌神社は、637年(舒明天皇9年)に勧請されたと伝えられる古社です。「菌」とはキノコのことで、神社の創建には、飢饉の際に一夜にして境内にキノコが生え、人々を救ったという伝説が深く関わっています。この奇跡的な出来事から、キノコは人々にとって救世主のような存在として崇められるようになり、菌神社が建立されたと考えられています。 明治時代までは「草平社」と呼ばれていました。

5月3日に行われる例大祭では、古代より伝わるジャコのなれ寿司が神饌として供えられます。これは、キノコの発酵と同様に、発酵食品であるなれ寿司が、生命力や豊穣を象徴していることを示唆しているのかもしれません。

菌神社の魅力

菌神社は、日本で唯一キノコを祀る神社として知られ、近年では健康志向の高まりとともに、全国から多くの参拝者が訪れるようになりました。本殿には、古くから伝わる貴重な瓦が使われており、歴史的にも貴重な建造物です。境内は静かで落ち着いた雰囲気に包まれており、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間となっています。

御朱印について

御朱印は、菌神社では直接受け付けておらず、管理している伊砂砂神社で受け取る必要がありますのでご注意ください。

菌と日本人

キノコは、古くから日本人の食生活に深く関わってきました。縄文時代の遺跡からはキノコの形をした土製品が出土しており、4000年以上前からキノコを食べていたことが分かっています。万葉集や今昔物語集にもキノコに関する記述があり、古くから親しまれてきた食材であることが伺えます。 また、狂言にも「菌」を題材にした演目があり、キノコの不思議な力や生命力に対する畏敬の念が感じられます。

まとめ

菌神社は、そのユニークな歴史と伝説、そして静謐な境内が魅力の神社です。キノコを祀る珍しい神社としてだけでなく、歴史や文化、そして自然との繋がりを感じることができる場所として、ぜひ訪れてみてください。 健康祈願や、豊作祈願などにもおすすめです。

関連リンク・参考文献

[1] きのこ神社やタニシまで?!不思議な神の使者を祀る滋賀の面白神社をご紹介 – しがトコ
[2] 日本で唯一「キノコ」の神さま 「菌神社」|修家大雄 /レストラン ラ・フェ
[3] 菌の物語 第3巻:第7話 「菌神社」 | BIOTEC公式ホームページ
[4] 菌神社 – 一般社団法人栗東市観光協会
[5] 菌 神社 – 伊砂砂神社
[6] 菌神社 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!

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