鳥取県大山町の名和神社:建武中興十五社と桜の名所

鳥取県西伯郡大山町(旧名和町)に鎮座する名和神社は、鎌倉幕府滅亡と建武の新政に大きく貢献した名和長年とその一族を祀る神社です。旧社格は別格官幣社、建武中興十五社のひとつに数えられ、その歴史と由緒は深く、県内でも最大級の規模を誇ります。

基本情報

  • 所在地: 鳥取県西伯郡大山町名和556
  • 祭神: 名和長年とその一族42名
  • 旧社格: 別格官幣社
  • アクセス: 山陰自動車道名和ICから車で約5分、JR鳥取駅から車で約80分、JR米子駅から車で約50分

歴史と伝説

名和神社の歴史は古く、延宝5年(1677年)に鳥取藩主・池田光仲によって氏殿権現として創建されました。明治11年(1878年)には別格官幣社に昇格。現在の社殿は昭和10年に、建築界の重鎮である伊藤忠太の指導の下、明治神宮を造営した角南隆によって造営されました。本殿からは日本海を望むことができ、海を越えた一直線上に後醍醐天皇の隠岐行在所があると言われています。

名和長年は、後醍醐天皇の隠岐島からの脱出を助け、鎌倉幕府打倒に尽力した人物として知られています。その功績から、名和神社には数々の伝説や逸話が伝えられています。境内には、名和長年の米倉があったとされる場所があり、合戦の際に焼かれたため、今でも神社の裏から焼き米が出てくると言われています。また、名和長年の墓と伝えられる「三人五輪」(首塚)や、弓の腕前が優れていた名和長年が稽古をしたとされる「的石」なども残されています。

桜の名所として

名和神社は、歴史的な重要性だけでなく、桜の名所としても有名です。参道には約400本のソメイヨシノが植えられており、5月にはツツジも咲き誇り、境内は壮大な桜のトンネルとなります。毎年、花見の時期には多くの観光客で賑わい、山陰有数の桜の名所として知られています。隣接する名和公園も桜の名所として知られ、桜のトンネルと日本海の絶景を同時に楽しめる、全国でも珍しいロケーションです。

その他

名和神社周辺には、後醍醐天皇ゆかりの史跡も多く点在しています。後醍醐天皇が隠岐からの脱出後、休息したとされる「後醍醐天皇の御腰掛の岩」、名和長年の父・行高の60歳祝いに建てられたとされる長綱寺など、歴史ロマンあふれる散策が楽しめます。

名和神社は、歴史と自然が融合した、魅力あふれる場所です。鳥取県を訪れた際には、ぜひ訪れてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 名和公ゆかりの史跡めぐり
[2] 大山町の「桜情報」2024年版をお伝えします。 | 鳥取大山観光ガイド
[3] 名和神社(なわじんじゃ) | 鳥取大山観光ガイド
[4] 神社大山町
[5] 大山町の「桜情報」2021年版をお伝えします。 | 鳥取大山観光ガイド
[6] 太平記ゆかりの地 | 鳥取大山観光ガイド
[7] 名和神社 – Wikipedia
[8] とっとり旅 【公式】鳥取県観光旅行情報サイト
[9] 名和神社|出雲お社倶楽部
[10] 名和神社
[11] F-2 後醍醐天皇ゆかりの地を巡る | 鳥取・山陰・大山ワンダー

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