古の息吹と現代が交差する滋賀県高島市今津町弘川。そこに鎮座する阿志都弥神社・行過天満宮は、悠久の歴史と数々の逸話を秘めた、神秘的な場所です。今回は、この神社の魅力を深く掘り下げていきます。
基本情報
- 名称: 阿志都弥神社・行過天満宮(あしづみじんじゃ・ゆきすぎてんまんぐう)
- 所在地: 滋賀県高島市今津町弘川1707-1
- 御祭神: 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、菅原道真公
- 御神紋: 山桜、梅鉢
- 旧社格: 郷社
- 指定: 神饌幣帛供進神社
歴史と伝説:桜花大明神と菅原道真公のゆかり
阿志都弥神社は、古くからこの地に存在した桜の巨木に木花開耶姫命を勧請し、桜花大明神として祀られていたと伝えられています。日本書紀にも記される推古天皇時代の新羅征伐の副将軍、近江脚身臣が当地に住み、崇敬したとされる由緒ある神社です。式内社であり、善積郷の総大社として地域の人々の信仰を集めてきました。
一方、行過天満宮は、菅原道真公が加賀守として赴任の途中に阿志都弥神社に参詣した際に詠んだ歌に由来し、道真公の曽孫である菅原輔正朝臣によって長徳4年に勧請建立されました。道真公は、赴任の際に真筆の十六善神画像や法華経などを奉納したと伝えられています。これらの品々は後に海津天神社へ奉遷されましたが、その歴史は神社の由緒深さを物語っています。
天智天皇の時代には、当地産の鳥爪根や刈安(かりやす)が朝廷に献上されていたという記録も残っており、古くから朝廷との深い繋がりがあったことが伺えます。また、足利将軍義満による朱印地寄進や、織田信澄による没収といった歴史的出来事も経験しています。
天保14年、行過天満宮は阿志都弥神社に合祀されましたが、現在も両神を祀ることで、木花開耶姫命と菅原道真公、二柱の神々のご加護が感じられます。
境内と見どころ:神木と弘川祭
境内には、樹齢千数百年ともいわれる県指定の天然記念物である椎の木をはじめ、桜などの老樹が神木として大切に守られています。これらの巨木は、神社の歴史と自然の息吹を感じさせてくれます。
毎年4月29日には、「弘川祭」が行われ、御輿が町内を練り歩きます。この祭りは、地域住民にとって重要な行事であり、神社と地域社会の深い結びつきを示しています。
神秘と癒やしの空間:訪れる人々へのメッセージ
阿志都弥神社・行過天満宮は、単なる神社という枠を超え、歴史、自然、そして人々の信仰が織りなす、神秘的で癒やしの空間です。静寂に包まれた境内を散策し、歴史と自然に思いを馳せ、心静かに過ごせる場所と言えるでしょう。 訪れる人々にとって、心安らぐひとときを提供してくれる、そんな場所です。
アクセス
JR湖西線近江今津駅からバスを利用。
周辺情報
高島市は、琵琶湖の西部に位置し、豊かな自然に恵まれた地域です。周辺には、マキノピックランドやメタセコイア並木など、観光スポットも多数あります。神社参拝と合わせて、高島市の自然を満喫してみてはいかがでしょうか。
関連リンク・参考文献
[1] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁
[2] 阿志都弥神社・行過天満宮 – 高島市/滋賀県 | Omairi(おまいり)
[3] 「ゆっくり距離を縮めて」阿志都弥神社・行過天満宮│ゆかし日本、猫めぐり#35 | web太陽 ― webtaiyo ―
[4] 阿志都弥神社・行過天満宮 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
[5] 阿志都弥神社・行過天満宮 | びわ湖高島観光ガイド
[6] Santuario Ashitsumi y Santuario Gyoka Tenmangu | Guía de turismo del lago Biwa Takashima