香川県高松市西春日町に鎮座する鶴尾神社。同市鶴尾地区の氏神様であり、「土居の宮」の別名でも親しまれています。古くから地域の人々の信仰を集め、歴史と神秘に満ちたこの神社の魅力を探ります。
由緒と歴史:平安時代から続く信仰
鶴尾神社の創建は平安時代初期、平城天皇の大同年間(806年~809年)にまで遡ります。陽成天皇の元慶3年(879年)には「霊鶴の奇瑞」という神聖な出来事が起こり、それ以降は「鶴尾八幡宮」として崇敬を集めました。その後、仁和年間(885年~888年)には現在地から南東約1.2kmの地に遷座し、「土居の宮」と呼ばれるようになりました。そして、元禄4年(1691年)に現在の地に遷座し、改めて「鶴尾神社」と名付けられました。明治6年(1873年)には郷社に列せられました。
御祭神:三柱の神々
鶴尾神社には、応神天皇、菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)、気長足姫命(神功皇后)の三柱の神々が祀られています。応神天皇は武勇に優れた神として、菟道稚郎子命は仁徳天皇の皇子であり、気長足姫命は神功皇后として知られる強力な女性です。それぞれの神々が持つ力と、その組み合わせが、地域の人々の生活を見守り、繁栄を祈願してきたのでしょう。
霊鶴の伝説:神社名の由来
神社名の由来となった「霊鶴の奇瑞」は、まさに鶴尾神社の神秘性を象徴する出来事です。その詳細な記録は残念ながら現存しませんが、想像力を掻き立てられる伝説として語り継がれています。もしかしたら、この地を飛翔する霊鳥の姿が、人々の心に深く刻まれたのかもしれません。また、鶴尾地区から見える峰山が、鶴が羽を広げたように見えることから、その姿が神社名に繋がったという説もあります。
見どころ:歴史を感じさせる建造物と周辺環境
境内には、歴史を感じさせる本殿や由緒碑などがあります。拝殿横の社務所は閉まっていることが多いようですが、事前に連絡を取れば御朱印をいただけることがあります。また、神社周辺には、石清尾山古墳群など歴史的な遺跡も点在しており、歴史散策にも最適な場所です。
鶴尾神社4号墳:国指定史跡
神社の近くには、全長約40mの前方後円墳である鶴尾神社4号墳があります。3世紀末頃の築造と推定され、国指定史跡にも指定されています。後円部中央には竪穴式石室があり、獣帯方格規矩四神鏡が出土したことで知られています。この古墳の存在は、鶴尾神社の歴史と、この地の古代からの信仰の深さを物語っています。ただし、古墳のすぐ脇は絶壁になっており、立入禁止となっていますのでご注意ください。
現代に繋がる信仰:地域に根付く神社
古くからの歴史と、霊鶴の伝説、そして国指定史跡である古墳の存在。これらの要素が織りなす鶴尾神社は、単なる神社という枠を超え、高松の歴史と文化を象徴する存在となっています。現在も地域の人々の信仰を集め、様々な行事を通して地域社会に貢献しています。
アクセス情報
- 住所:香川県高松市西春日町1066番地
- 電話番号:087-867-4499
このブログ記事が、鶴尾神社の魅力を少しでも伝えることができれば幸いです。ぜひ、実際に訪れて、その歴史と神秘に触れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 見てみMyたかまつ(令和5年7月)|高松市
[2] 鶴尾神社 | kagawa1000seeのブログ
[3] 鶴尾神社4号墳 – 古墳マップ
[4] 白鳥神社(東かがわ市)
[5] 鶴尾神社 – 香川県神社庁
[6] 鶴尾神社|神社専門メディア 奥宮-OKUMIYA-