琵琶湖の神秘、竹生島神社:伝説とミステリーに包まれた島

古来より「神の島」として崇められてきた竹生島。琵琶湖の北部に浮かぶこの小さな島には、都久夫須麻神社(竹生島神社)が鎮座し、数々の伝説とミステリーに彩られた歴史を刻んでいます。

基本情報

  • 所在地: 滋賀県長浜市早崎町竹生島
  • 祭神: 市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)・宇賀福神(うがふくじん)・浅井比売命(あさいひめのみこと)・龍神(八大龍王)など
  • 社格: 式内社(小)、旧県社
  • 創建: 伝・雄略天皇3年(459年)
  • 国宝: 本殿

歴史と伝説

創建は459年、浅井比売命を祀る小祠から始まったと伝えられています。その後、聖武天皇の時代に宝厳寺が建立され、神仏習合の形態をとるようになりました。 幾度となく火災に見舞われましたが、戦国時代には再建され、豊臣秀頼が伏見城の日暮御殿の一部を移築寄進したことで、現在の豪華絢爛な本殿が完成しました。この本殿は、桃山時代の美術工芸の粋を集めた国宝として知られています。

島そのものが神体とされ、古くから「日本三大弁才天」の一つとして数えられ、弁財天信仰の中心地として栄えてきました。 厳島神社、江の島神社と共に「日本三大弁才天」として信仰され、毎年6月10日には三社弁才天祭が執り行われます。 弁財天信仰の発祥の地ともいわれ、その影響は全国に広がったとされています。

ミステリーと裏話

  • 奇跡の保存状態: 400年以上前の本殿の装飾は、特別な保護対策を講じていないにもかかわらず、驚くほど良好な状態を保っています。その理由については、神の御力によるものとする説もあります。
  • 龍神伝説: 琵琶湖から龍神が現れたという伝説があり、島内には龍神にまつわる神木なども残されています。
  • 女人禁制: 明治時代までは女人禁制の島であったとされ、その背景には、弁財天信仰と深く関わった女性たちの存在が隠されているのかもしれません。
  • 浅井三姉妹と竹生島: 浅井三姉妹(お市の方、茶々、初)と竹生島との関わりも深く、特に豊臣秀頼による本殿の寄進は、その歴史的つながりを示唆しています。
  • 湖底遺跡: 竹生島周辺では、湖底遺跡も発見されており、島の歴史の深さを物語っています。

見どころ

  • 国宝本殿: 豊臣秀頼寄進の伏見城遺構を移築した、桃山時代の建築様式を代表する建造物。内部の装飾は圧巻です。
  • 宝厳寺: 西国三十三所札所の第三十番札所。本尊の大弁才天像は、日本三大弁才天の一つとして知られています。
  • かわらけ投げ: 願い事を書いたかわらけを湖に投げる風習。鳥居をくぐれば願いが叶うと言われています。
  • 黒龍堂: 龍神伝説に関連する神木が近くにある、神道様式の小祠。

アクセス

長浜港または今津港からフェリーで約30分。容易には辿り着けないアクセスも、この島の神秘性を高めています。

竹生島神社は、歴史、伝説、ミステリーが複雑に絡み合った、まさに「神の島」と言えるでしょう。 訪れる際には、その神秘的な雰囲気を肌で感じてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 竹生島 宝厳寺~琵琶湖~
[2] 竹生島・宝厳寺 ~西国第三十番札所~ │ 住職語り 『面白の島の四方山話』│女性たちの島
[3] 竹生島~琵琶湖に浮かぶ神の棲む島~
[4] 403 Forbidden
[5] 琵琶湖の神秘の島に鎮座する都久夫須麻神社(竹生島神社) – 神社旅
[6] 都久夫須麻神社(竹生島神社)
[7] 湖底遺跡も見つかった!神の棲む島として知られる謎を秘めた『竹生島』 – しがトコ
[8] 竹生島神社(都久夫須麻神社)~琵琶湖~
[9] 都久夫須麻神社(竹生島神社) | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
[10] vol.17 水の神様を訪ねて

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