基本情報
岡山県津山市一宮に鎮座する「中山神社(なかやまじんじゃ)」は、かつての美作国(みまさかのくに)で最も社格が高い「一宮」として崇敬されてきた古社です。
- 所在地: 岡山県津山市一宮695
- 御祭神: 鏡作神(かがみつくりのかみ)
- 創建: 慶雲4年(707年)と伝えられる
- 主なご利益: 厄除け、安産、牛馬守護、金属加工・採掘の守護
独特の建築美「中山造」と「中山鳥居」
中山神社を訪れてまず目を引くのが、全国的にも珍しい「中山鳥居」です。一般的な鳥居は横柱(貫:ぬき)が両脇の柱を突き抜けていますが、中山鳥居は柱の中で止まっており、外側に突き出ていないのが特徴です。
また、本殿は「中山造(なかやまづくり)」と呼ばれる独特の様式で、国の重要文化財に指定されています。入母屋造の妻入りという、美作地方の神社建築のモデルとなった荘厳な造りは必見です。
今昔物語に刻まれた「猿神退治」の伝説
中山神社には、平安時代の説話集『今昔物語集』にも記された有名な伝説があります。
かつてこの地には、毎年祭りの日に人間の娘を生贄として要求する「猿神(さるがみ)」がいました。ある年、生贄に選ばれた娘を救うため、東国から来た猟師が鋭い猟犬を連れて現れます。猟師は娘の代わりに身代わりとなって生贄の箱に入り、現れた巨大な猿の化け物を犬とともに見事に退治しました。
本殿の裏手には、この猿神を祀った「猿神社」があり、現在は「猿」が「去る」に通じることから、災いを取り去るパワースポットとして知られています。また、安産の神様としても信仰され、赤い布で作られた可愛らしい「猿のぬいぐるみ」が多数奉納されている光景は、どこかミステリアスで幻想的です。
不思議なパワーを秘めた「祝木のケヤキ」と「羽留石」
参道の入り口には、樹齢約800年といわれる巨木「祝木(いぼぎ)のケヤキ」がそびえ立っています。この木には「木の穴に溜まった水をつけるとイボが取れる」という言い伝えがあり、古くから「イボ取りの神様」として親しまれてきました。
また、近くを流れる宮川には「羽留石(はどめいし)」という岩があります。中山神社の神様が鵜の羽を水に浮かべ、「この羽が止まった場所に鎮座しよう」と言ったところ、その羽がこの岩に止まったという伝説が残っています。
アニメ『夏目友人帳』の聖地巡礼スポット
中山神社は、人気アニメ『夏目友人帳』のファンにとっても重要な聖地です。
2021年に公開された短編エピソード『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』に登場する神社のモデルの一つとされており、特にあの特徴的な「中山鳥居」や、静謐な森に包まれた境内の雰囲気が作品の世界観そのものだと話題になりました。ファンの方は、劇中のシーンを思い浮かべながら参道を歩くと、より一層深い感動を味わえるはずです。
裏話:牛馬の守護神としての顔
かつて中山神社の門前では、西日本最大級の「牛馬市」が開かれていました。そのため、境内には牛の像(銅牛)が奉納されており、農耕や畜産に携わる人々から絶大な信頼を寄せられてきた歴史があります。現在でも、動物の健康や安産を願う参拝者が絶えません。
伝説と歴史、そして現代のアニメ文化が交差する中山神社。津山を訪れた際は、その神秘的な空気に触れてみてはいかがでしょうか。
関連リンク・参考文献
[1] Attention Required! | Cloudflare
[2] 中山神社
[3] 国宝の社殿はやっぱり最高に美しい!八咫鏡を作られた神さまの神社★中山神社 岡山県 | 下川友子オフィシャルブログ「パワースポットへいこうっ♫」Powered by Ameba
[4] 中山神社(岡山県津山市一宮)- 日本すきま漫遊記
[5] 美作国一宮「中山神社」今昔物語の猿神伝説【岡山シリーズ】【吉備シリーズ】|やんまあ
[6] 美作国一宮「中山神社」今昔物語の猿神伝説【岡山シリーズ】【吉備シリーズ】|やんまあ
[7] 中山神社 | 全国観光資源台帳(公財)日本交通公社
[8] 【一之宮巡り】中山神社~日本で最強の鏡を作った神様を祀るパワースポット。 – 神様と縁を結ぶ神社・仏閣巡り
[9] 中山神社 ~津山の神社~ – 津山瓦版
