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島根半島の東端、美保関に鎮座する美保神社は、全国に3000社以上あるえびす社の総本宮として知られています。古くから漁業、商業、そして音楽の神様として信仰を集めてきたこの神社は、単なる観光スポット以上の魅力にあふれています。今回は、美保神社の歴史、伝説、そしてちょっとミステリアスな側面まで、深く掘り下げてご紹介します。
神話の舞台：国引きと国譲り
美保関は、古事記や出雲国風土記にも登場する神話の地です。出雲の国を造ったとされる八束水臣津野命（やつかみずおみつぬのみこと）が、各地から土地を引っ張ってきて島根半島を形成したという「国引き神話」の舞台の一つとされています。
また、美保神社のご祭神である事代主命（ことしろぬしのみこと）は、大国主命（おおくにぬしのみこと）の息子であり、国譲りの際に重要な役割を果たしました。天照大御神（あまてらすおおみかみ）の使者である建御雷之男神（たけみかづちのおのかみ）が国譲りを迫った際、大国主命は事代主命に相談し、彼はあっさりと国譲りを承諾したと伝えられています。この国譲りの場面を再現した神事が、美保神社では今もなお受け継がれています。
えびす様と鶏肉のミステリー
美保神社に祀られている事代主命は、一般的に「えびす様」として親しまれています。しかし、このえびす様には、ちょっと変わった伝説が残っています。それは、「えびす様は鶏が嫌い」というもの。
昔、えびす様は毎晩、中海を渡って対岸の溝杭姫（みぞくいひめ）のもとへ通っていました。夜明けを告げる鶏の声を聞いて帰っていたのですが、ある夜、鶏が間違って早く鳴いてしまい、慌てて帰る途中で足を怪我してしまったというのです。このため、美保神社の氏子の中には、鶏肉や卵を避ける風習が残っているそうです。
さらに、美保神社の氏子には、毎年くじで選ばれた「當屋（とうや）」という役があり、選ばれた人は1年間、鶏肉と卵を控えるというしきたりがあります。當屋は毎晩、塩で体を清め、紋付羽織袴で神社に参拝しますが、その姿を誰にも見られてはいけないという神秘的なルールも存在します。
音楽の神様としての側面
美保神社は、音楽の神様としても知られています。境内には、古くから伝わる楽器が数多く奉納されており、その中には、歌舞伎囃子の名門である田中傳左衛門（人間国宝）が発見したという「一節切（ひとよぎり）」も含まれています。
また、美保神社では、毎年4月7日に「青柴垣神事（あおふしがきしんじ）」、12月3日に「諸手船神事（もろたぶねしんじ）」という二つの重要な神事が行われます。これらの神事は、国譲りの神話を再現したもので、特に諸手船神事は、2艘のくり舟に乗った氏子が競い合うように船を漕ぎ、事代主命に意見を尋ねに行く場面を再現しています。
出雲大社との両参りでご利益倍増？
美保神社は、出雲大社と合わせて参拝すると、ご利益が倍増するとも言われています。出雲大社は大国主命を祀り、美保神社は事代主命を祀っているため、親子神を両方参拝することで、より強力なご利益が得られると考えられているようです。
ミステリアスなスポット
美保神社周辺には、他にもミステリアスなスポットが点在しています。例えば、美保神社の飛地境内とされる「地の御前」は、かつて漁師が航海の目印として地蔵像を建てた場所で、別名「地蔵崎」とも呼ばれています。また、沖合4kmには「沖の御前」があり、事代主命が鯛釣りをしていたとされる伝説の名所です。
まとめ
美保神社は、神話、伝説、ミステリー、そして歴史が複雑に絡み合った、非常に魅力的な場所です。えびす様の総本宮としてだけでなく、国譲りの舞台、音楽の神様、そしてミステリアスなスポットとしても、訪れる人々を魅了し続けています。島根を訪れる際には、ぜひ美保神社に足を運んで、その神秘的な雰囲気を肌で感じてみてください。
参考資料
[1]https://www.youtube.com/watch?v=XMxScp5CjiY
[2]https://www.fukumakan.jp/travel/6/
[3]https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79690
[4]https://www.shimane19.net/report/matsue/1691
[5]https://www.fukumakan.jp/travel/8/34/
[6]https://tabiiro.jp/likes/articles/view/1225/
[8]https://column.epauler.co.jp/archives/izumoterrace/mihojinja
[9]https://japanmystery.com/simane/miho.html
[10]https://www.re-member.jp/post/5583
[11]https://www.veltra.com/jp/yokka/article/shimane-ebisusama-mihoshrine/
[12]http://furusato.sanin.jp/p/mysterious/1/